〜加藤和也、有田の旅 母・美空ひばりの歌声が聞こえる〜
■今週の旅人

♪有田皿山 ヨイショチロリント
どこから明けるヨ ソラアケルヨ 窯の炎で夜が明ける

目の前の体育館の入口からこんな歌声が流れてきます。そっと入ると、小皿を2枚ずつ両手に持って、カチカチと鳴らしながら歌にあわせて踊っている人たちがいます。有田町の皿山まつりの練習です。そして、歌声の主は美空ひばりさん!ナント、有田町のご当地ソング『有田音頭 チロリン節』をひばりさんがレコード化して残していたのです。

今回の加藤さんの旅は、この歌との出会いを求めて佐賀県有田町を散策します。

古めかしい建物、並ぶ陶磁器のお店、トンバイ塀(窯に使われていた耐火煉瓦を再利用してつくられた塀)の続く裏路地と、見るものすべてが新鮮な驚きとなって加藤さんを惹きつけます。そして、何よりも加藤さんを驚かせたのが、秋の陶器市のときに古民家で出されるおくんち御膳です。マグロや鶏肉に栗・野菜を入れ小豆で煮込んだ一皿や、豆乳を葛・でんぷんで固めた呉豆腐など、有田ならではの伝統料理です。その料理をいただいて、有田の風土を感じた加藤さん。

そして、加藤さんを感動させたのが陶都・有田を象徴する職人の技でした。重要無形文化財(人間国宝)・十四代今右衛門氏の工房を訪れて絵付けを見せていただき、その巧みさに言葉にならない感動を覚えます。それは同時に、芸一筋に精進してきた母・美空ひばりの精神思い起こさせる出来事でした。

「人がとってもあったかいね」、この旅での加藤さんの口癖です。

郷土料理を伝えて町づくりを進める婦人会の人たち、アポなしでの突然の訪問に快く応対してくれた十四代今右衛門氏、母・美空ひばりが残した音頭をいつまでの踊り継いでいきたいと願う町民の人たちとの出会いが、どうやら加藤さんをハートウォーミングさせたようです。

今年で17回忌を迎えた母・美空ひばりが今でも多くの人に愛されていることを改めて感じた旅でした。
 
加藤和也(かとうかずや)
1971年8月10日生まれ (株)ひばりプロダクション社長 故美空ひばりさんの長男で、16歳の頃から母のステージを手伝い、構成・演出を手がける。音楽プロデューサーの経験もあり、近年はテレビにも数多く出演している。 夫人は俳優・浜田光夫さんの長女有香さん。
■ おくんち御膳

今年から開かれる陶器市(11/23〜11/27)で、しっとりとした秋の有田を堪能できる。また、期間限定として古民家・小路庵(しょうじあん)をはじめとした数件のお店で有田ならでは郷土料理が頂ける。

お問い合わせ 有田商工会議所 (0955)42−4111

■ 十四代今右衛門さんと

有田焼400年の歴史の中で、色鍋島の技術を今に伝える老舗の窯元。その技術は重要無形文化財として高く評価されている。窯元の隣には今右衛門古陶磁美術館があり、有田焼の歴史を知ることが出来る。

(0955)42−3101