和食の基本となる「だし」ブームが続いていますが、博多独特の「あごだし」にこだわっただしが売り上げを伸ばしています。福岡県筑紫野市に本社がある(株)味の兵四郎の野見山正秋社長は、割烹を営んでいた祖父の影響を受け、共働きの家庭でも手軽にしかもほんものの味を出せるだしパックを編み出しました。かつおや昆布と言った基本の素材に加え、博多ならではの「あご」(長崎でとれるトビウオ)など6種類の味をブレンドしたものでその構成比はまさに企業秘密です。昨年は、シンガポールに出店するなどその事業はアジアへと拡がっています。年々県外からも就職希望者が増えているのは、その社風に人気が高まっているからのようです。野見山社長のモットーは何より「正直であること」「うそをつかないこと」とまさにシンプルなものです。自分ファーストでなく「利他」人のことを考える社員に育ち、社内の上下関係にとらわれず意見を戦わせ、コミュニケーションの深い職場づくりを目指しています。