2月11日放送(RBCは2月16日放送)
薄くて、しなやか!常識破りのコンクリート
海岸にずっしりと佇む波消しブロック、ブーゲンビリアとのコントラストが美しい花ブロック。沖縄で生まれ育った私にとってコンクリートは、風景に馴染み過ぎているもので、それについて深く考えることはこれまでなかった。逆に、伝統的な日本家屋に漂う杉や檜の香りを嗅ぐたびに、その“上品さ”と“温かさ”をうらやむことが多かったかもしれない。しかし、今回の取材を通して沖縄に根付くコンクリート文化を誇らしく思うことができた。約70年前、先の大戦で壊滅的な被害を受け、木造住宅や山林が消失し、木材が手に入れにくくなった沖縄。その後のアメリカ統治下時代、米軍基地内で建てられたコンクリート住宅が徐々に基地外にも広がっていったことや台風によってもたらされる被害も住宅のコンクリート化を加速させた。そんな背景があったのだ。それから時が経ち「デザインの幅を広げたい」、「地場産業の枠を超えて海外でも展開したい」、そんな阿波根さんらの情熱によって開発されたHPC。2015年に特許を取得したばかりの技術で実例がまだ少なく、コストをいかに抑えられるかという課題もあるが、各地で需要が高まっている。阿波根さんらも「より実用性を高めていくために色んなオファーを受けて実験を続けていきたい」と更なる飛躍に向けて意気込んでいる。HPCは、コンクリートの良さを保ちつつ、これまでの“無骨さ”や“冷たさ“を解消し、沖縄のみならず、世界の新たなコンクリート文化を創造してくれることだろう。
担当:RBC琉球放送 與那嶺啓