
カラフルな世界|アナウンサーコラム
RKB70周年SDGsプロジェクト カラフルマンス
毎年のように起こる豪雨災害。山火事や台風、飢餓などが頻発する世界は今、気候変動・地球温暖化による危機に直面しています。そして、Me TooやBlack Lives Matter運動に代表されるように性別や人種などによるあらゆる差別が今なお、多くの人を苦しめています。子供の貧困問題も深刻です。
カラフルマンスは、「SDGs」「多様性」をキーワードに、地球に生まれた私たちと、未来の世代みんなが幸せになるための方法を考える1か月。「ちょっときついな」「これっておかしくない?」身近にある疑問を一緒に考えてみませんか?
「カラフルな世界」と聞いたとき、皆さんはどんな世界をイメージしますか? 明るい世界、色鮮やかな世界、人によって様々だと思います。私がイメージするのは、「みんな違ってみんないい世界」です。
私が初めて「人と違う」経験をしたのは、高校2年生でオーストラリアの高校に留学したときでした。
滞在先のアデレードという街は、比較的ヨーロッパからの移民が多く、アジア系は少数派。優しい人もたくさんいましたが、なんとなく好奇の目で見られたり、通りすがり人から、ニヤニヤしながら「ニーハオ!」と声をかけられたりすることもありました。
その度に、なぜ人種が違うだけでこんなに肩身の狭い思いをしなければならないのか、日本の方がまだ寛容な社会なんじゃないかと唇を噛み締めていましたが、いざ帰国してみてわかったのは、日本にもそういった差別はたくさんあるということ、そして自分を含め、多くの人がそれに無自覚だということです。
例えば、多くの人が外国人に対して悪気なく使っている「外人」という表現。少し排他的ではないでしょうか? 悪意がないというのはとても怖いことで、無意識に人を深く傷つけます。
6月のRKBは「カラフルマンス」と銘打って、様々な番組やイベントをお届けする予定です。カラフルで多様性のある世界にするために、ぜひ皆さんも一緒に考え、行動してみませんか?
5月1日(土)毎日新聞掲載
Be colorful. rkb 70th
70年間、放送局をつづけてきて、やっと気づいた。カラー放送をしてるだけじゃ、この世界の色は伝わらない。もっと、豊かな視点で。もっと、やわらかい心で。あなたの、あの人の、あらたしい当たり前を感じる。そんな私たちになりたい。さぁ、カラー放送から、カラフル放送へ。
辻 満里奈
RKBアナウンサー。埼玉県さいたま市出身。
担当番組:タダイマ!、まちプリ など。