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【特集】緊急事態宣言解除から1か月 飲食業界の新たな動き

暮らし
昨年から世界中で猛威をふるっている新型コロナウィルスの感染拡大、生活習慣の変化に伴い、私たちの衣食住に関わる行動や消費も大きく変化しました。

大きな打撃を受けた飲食業界

特に、外出自粛や酒類販売の自粛で大きな打撃を受けたといわれる飲食業界。
この1年で全国の飲食店全体の1割にあたる4万5千店が閉店したという統計があります。(日本経済新聞とNTTタウンページの共同調査)

福岡県は、9月末で4回目の緊急事態宣言が解除されました。また、10月14日をもって約2カ月半ぶりに飲食店の営業時間の短縮・お酒の提供自粛が全面解除になりました。
普段通りの営業が始まった福岡の飲食業界、その現状を取材しました。

補助金や助成金の効果大!テイクアウトなど新たな需要も

最初に訪れたのは、飲食店開業に必要な厨房機器や備品の新品から中古品までを販売し、飲食店経営のサポートなども行っている、全国60店舗を展開する「テンポスバスターズ」が運営する「テンポス福岡店」です。
昨年7月に取材をした時には、コロナ禍で飲食店の閉店が相次ぎ中古厨房機器の買い取り品が店内に所せましとあふれかえっていました。
あれから1年3か月。現在の店内は中古リユース品の在庫が当時と比べおよそ5分の1へと激減していました。
現状を店長の小倉さんに伺うと、今年に入って中古機器の買い取り量が減少したそうです。つまり、閉店する店が現在は減少傾向あるということです。その理由として考えられるのは、補助金や助成金で小型店の閉店に歯止めがかかったこと、そして補助金や助成金が店舗運営強化のための設備投資に当てられ需要が急増したことが理由だそうです。

飲食店関連で売れている商品は?

現在、「テンポス福岡店」の人気商品は、食材保存用の“冷蔵庫”や“冷凍ストッカー”、料理の効率化がはかれる“コンベクションオーブン”などだそうです。また、人手を減らすために“自動食器洗浄機”を購入する飲食店が増えているそうです。
さらにステイホームも定着し、テイクアウトの需要が好調。“フライヤー”やネット通販にはかかせない長期保存をする為の“真空パックの包装機”の売れ行きも好調です。

「テンポス福岡店」では、昨年の7月頃からお店のランチやテイクアウトなどの告知に使えるポスター1枚を無料で制作し提供するサービスもスタート。さらに飲食店の経営者や従業員への支援に向け、給付金や助成金などの申請方法の無料相談窓口も開設しました。
「お客様にはテンポス福岡店を通じて、コロナ禍での飲食店の成功体験を共有していただくための精度の高い情報を発信して支援を続けたいと思っています。このコロナ禍でも飲食店が生き残りもっと大きくなっていって欲しいと願っています。」と小倉店長。

飲食店をはじめようという人が増えている!

4回目の緊急事態宣言解除から1カ月。実はいま、独立や新業態に挑戦する新規出店希望者が増えています。
店舗専門の不動産会社「アッシュ不動産事務所」で飲食店の物件探しの動きを聞きました。

撤退した店舗の小型空き物件が人気!

コロナの混乱が続いていた昨年は、都心部の大型店舗の撤退が加速、店舗を移転して小型化し、家賃・人件費のコスト削減や業態変更をすることで店を維持する経営者が多かったとのこと。しかし今では、空き物件としての小型店舗を求める需要が急増し人気となっています。空き物件待ちの新規出店希望者は数十人にものぼるそうです。
また緊急事態宣言解除後からは新たな動きも。
コロナ終息後の需要の回復を見越して、客が集まりやすい立地に新たに50坪前後の大型店舗を出店したいという飲食店経営企業からの問い合わせも出てきています。

飲食業界に新しい風は吹いている!

このコロナ禍で異業種の会社が飲食業界に新規出店をするという動きも増えています。
全国に40店舗以上のモバイル商品・雑貨販売を展開する「グローバルセレクション」もそのひとつ。
この企業では、ニューオータニ博多の和食の元副料理長で、韓国の5つ星ホテルでも料理長を勤めた末次さんに飲食店の新規出店を託しています。
現在進行中の計画は、福岡市博多区の飲食店が建ち並ぶ好立地に、天ぷら専門店のオープンを準備中。元々はラーメン店だった厨房設備が整った居抜き物件を借りて全面改装し、調理場をコの字に囲むカウンターで揚げたての天ぷらを目の前でお客様に提供する“福岡スタイル”の天ぷら専門店を目指しています。
コロナ終息後の盛り返しを見据えて今がビジネスチャンスと捉え、今後は全国に40店舗以上展開していきたいと考えているそうです。

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