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椿油で洗濯革命!

ウール・カシミヤなど高級素材のセーターやおしゃれ着、スーツを丸ごとジャブジャブ水洗い。そんな画期的なサービスを行っているクリーニング企業が長崎にある。

長崎市に本社を置く株式会社スワンだ。これらの高級素材の衣類は、これまで水を一切使わず石油系溶剤などを使って洗うドライクリーニングをするのが常識だった。ウールなどの素材は水洗いすることで繊維が縮んだり、型崩れしたり、シワが入ったりと、衣類を傷めてしまう恐れが大きいからだ。これらの素材の水洗いを可能にしたのは、長崎県五島列島の特産品“椿油”を配合した洗剤だ。

椿油が繊維1本1本の表面をコーティングして守り縮みやシワを防ぐとともに、適度な油分を補給してくれるためしっとりサラサラに仕上がるのだ。水洗いすることでこれまでは落ちにくかった汗汚れもすっきり落とすことができ、生地の通気性もよくなるという。

ファストファッション全盛で苦境にあるクリーニング業界。スワンの原竜一常務(41)は生き残りをかけ、この椿油配合洗剤に目をつけた。クリーニングで使うだけではなく、この洗剤を家庭用に販売しようというのだ。クリーニング企業としては異例とも言えるこの挑戦を追う。
■取材先
会社名::株式会社スワン
担当者:取締役常務執行委員 原竜一さん
住所:長崎市古賀町867-13
電話:095-839-2000
HP:https://swandry.jp/ その他:長崎県内にクリーニング店「スワン・ドライ」を47店舗展開。 紹介したサービス「五島つばきプレミアム水洗い」は各店舗で受付可。通常のクリーニング料金+800円。椿油配合の家庭用洗剤は、500mlで2500~3000円の価格設定で今夏発売予定。普段着用、おしゃれ着用、柔軟剤の3種類で、インターネット販売も予定している。

取材後記

椿油といったら、おじいちゃんおばあちゃん世代が髪につけるもの。なんだか古風で高価で・・・と、どこかとっつきにくいイメージがありませんか?昨今オリーブオイル、アルガンオイルなど、海外の油を使ったオイル美容や健康食品が注目されていますが、私自身、今回の取材が日本古来の天然油・椿油を見直すきっかけになりました。

椿油は、全国的には「伊豆大島(東京)で作られているもの」というイメージが強いようです。が、実は長崎県五島列島がその伊豆大島をしのぐほどの生産量を誇っています。もちろん質も、大手シャンプーメーカーが目をつけたことからもわかる通り、お墨付きです。

椿油がいいものだということはわかる―。しかし、それを洗剤に?油を入れて水洗い?逆に服が汚れそうな気さえしてしまいます。ところがこれが驚きの効果を発揮するのです。今回の番組作りでは、この効果を視覚的に表現するのに非常に苦労しました。肌触りや汗の汚れ落ちは、なかなかテレビでは表現しづらいのです。悩んだ末に、スーツをジョキジョキと半分に切って比較する実験に至りました。なかなか無い体験でした。スーツを提供してくれた父に感謝です。

番組中「五島つばきプレミアム水洗い」をしたダウンやジャケットも、私の私物です。気持ちよく着させていただいています。これが家の洗濯機でも洗えるように―。家庭用洗剤の発売を楽しみにしている消費者の1人です。
担当:NBC長崎放送 城代奈美

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