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新型コロナ後遺症の最先端治療…耳鼻科医に聞きました

未だ猛威を振るう「新型コロナウイルス」。そして、表に出ず増え続けているのが”新型コロナ後遺症”です。倦怠感や気分の落ち込み、さらに味覚・臭覚の障害など症状もさまざまで、どこの病院を受診したらいいのかも分かりません。今回は、新型コロナ後遺症治療を行う”耳鼻科”を取材しました。

耳鼻科が行う”新型コロナ後遺症治療”

治療が進まない”新型コロナ後遺症”。無症状だった人もいる一方で新型コロナ後遺症で悩み続ける人も少なくありません。新型コロナの後遺症で起こる、さまざまな症状はどこで、治療したらいいのでしょうか?

福岡市早良区田村にある「福岡歯科大学・医科歯科総合病院」。2020年9月にリニュアルし、新しい総合病院として生まれ変わりました。現在、「新型コロナ後遺症」の治療を行っているのは耳鼻咽喉科の西先生です。

西先生によると、ウイルスの感染経路の多くは鼻やのどから入り、上咽頭に付着し、感染を起こすので、後遺症の原因も鼻やのどに残ると考えられます。長引く咳やのどの違和感、頭痛などは耳鼻咽喉科の上咽頭炎症の症状なのだそう。
新型コロナ後遺症治療で来院していた27歳の男性は、去年の5月に新型コロナウイルスに感染し、それから倦怠感やのどの違和感、せきなどの後遺症が続いているとのこと。半年間治療を行っていますが、まだ継続治療が必要だと、西先生は言います。
男性の鼻の内部に内視鏡カメラを入れて見てみると、のどの上の部分ある上咽頭がまだ少し出血してるのが分かります。カメラを見ながら、鼻用の巻綿糸(けんめんし)で治療を行います。

この治療法は、日本で開発された「Bスポット療法」と呼ばれるもので、1960年代に日本で始まったものでしたが、上咽頭に塩化亜鉛を塗り込む治療法のため大きな痛みが伴います。効果はあるのですが、当時は、それが治療の効果だと実証するのが難しく、次第に、すたれていったそう。しかし、現在は世界に発信できるように、新名を”上咽頭擦過療法(じょういんとうさっかりょうほう)”と変え、別名を”EAT(イート)”と呼ぶようになりました。実際にEATを行った患者さんの中で倦怠感が無くなったとい事例がいくつもあるそうです。現在は、口からではなく痛みが少ない鼻からの治療も行われています。

西先生は、山野教授と連携で研究を行い日本病巣疾患研究所の医線探報(いせんたんぽう)にも新型コロナ後遺症の論文をあげ、さらに、世界に向けて、英語論文も発表しています。

簡単に予防ができる”鼻うがい”

西先生が今おすすめしているのが「鼻うがい」です。痛みもなく、新型コロナの予防にも効果があります。塩とひと肌のぬるま湯を目盛りまで入れ、塩が溶けるまで良く混ぜ、塩分濃度0,9%の生理食塩水を作ります。正しい濃度で作ることが大切なんだそう。
「えー」と言いながらゆっくり行いましょう。1回の鼻うがいは200~250㏄。痛みは全くないそうです。市販で1000円くらいからありますので、皆さんも試してみてくださいね。

福岡歯科大学 医科歯科総合病院:(092)801-0411

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耳鼻科鼻うがい