第662回番組審議委員会を1月18日(火)、RKB毎日放送本社会議室で開催した。
<審議委員>
出席委員 5名
井手 健一郎、木下 結香子、小湊 真美、髙藤 英夫、松本 義人
書面講評 5名
青栁 明彦、上符 友則、篠崎 香織、濱地 信市、森野 茂生
<放送事業者>
佐藤泉社長ほか 計11名
<議題>
①社業説明
②番組審議
③業務報告
<議事の概要>
議題 番組審議
「魔法の素材が舞う~プラスチック大気汚染」
12月27日(月)午前10時35分から午前11時30分
出演
プロデューサー:高藤秋子(報道部長)
ディレクター :後藤弘之(情報番組部)
<内容>
捨てられたプラスチックによる環境汚染が海だけにとどまらないことが分かってきた。海中のプラスチックは2050年、魚の量を超えるとされているが、大気中にも目に見えないほどの小さなプラスチックが漂っていることを研究者たちが突き止めた。
それは呼吸を通して私たちが肺に取り込んでいる可能性が指摘されている。分解されないプラスチックは生態系にとどまり続ける。人体にどのような影響があるのだろうか。
番組では、最新の研究に密着。プラスチックが大気に漂うまでのメカニズムと、そこから明らかになった衝撃の研究結果。私たちは、暮らしを便利に豊かにしてきた魔法の素材プラスチックと、今後どのように向き合うべきだろうか。待ったなしの課題を考える。
委員からは
・マイクロプラスチック、ナノプラスチックが、大気に含まれていて、全世界的に排出されているということがわかりショッキングな内容だった。
・大気汚染の問題、体内に入ったマイクロプラスチックの人体への影響を考えさせられた。
・プラスチックの大気汚染、海洋汚染の実態を明らかにする非常に質の高い番組だった。
・微細なマイクロプラスチックが世界中の大気を汚染しているという衝撃的な内容の番組だった。
・知らないことがたくさんあり、非常に勉強になった。
・科学的なデータと専門家の意見で構成されていて説得力があった。
・先行きの不透明さと事態の深刻さを視聴者に投げかけて、それを実感させる良質なドキュメンタリーだった。
と、評価する意見がありました。
一方で、
・問題提起としては非常によい番組だと思うが、わかっていないことに対して何の示唆も与えられないまま終わったことが気になる。
・プラスチックの人体への影響については、医学的なサンプル数が少なく、まだ判断できない。
・大気汚染そのものは車の排気ガスによる汚染で、プラスチックとは違うところもあるので、もう少し慎重に扱う方がよかった部分もあった。
・空気中のプラスチックを減らすためには、強い制限や多大な我慢が必要だというメッセージを与えてしまうのではないか?
・全体的に話が総花的になり焦点がぼけたように感じた。もう少し、リサイクルの状況や新素材の開発状況に特化してもよかったのではないか。
・私たち個人レベルで何ができるのか?番組で答えが明確に示されることがなかった。
という意見がありました。
制作者は
・プラスチックによる大気汚染の問題、実態はあまり知られていないので、まず丁寧に専門家の最新の研究を伝えることに専念した。
・この問題に万能な答えがなく、取材すれば取材するほど解決策(ゴール)にたどりつくまでのハードルの高さを感じた。
・課題を見せることが、今のプラスチック問題を伝える上で重要だと考えた。
・私達の暮らしが出している結果が、環境を汚しているだという部分を見せたかった。
・理想だけじゃなくて現実を伝えていくことが大事だと考えた。
と、説明しました。