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RKB毎日放送株式会社

番組審議会報告

RKB毎日放送番組審議会の議事概要

第649回(令和2年9月15日)

第649回番組審議委員会を9月15日(火)午後2時から、RKB毎日放送本社会議室で開催した。

<審議委員>
出席委員  9名
安部 進一郎、木下 結香子、篠崎 香織、中村 弘峰、濱地 信市、平川 俊介、松藤 幸之輔、松本 義人、村上 和彰
書面出席  1名
原 祐一
<放送事業者>
井上社長以下11名

<議題>
①番組審議
②業務報告

<議事の概要>
テレビ番組審議 JNN九州沖縄ドキュメント ムーブ「忘れられないあの日~頓田の森の悲劇から75年~」8月23日放送

太平洋戦争末期、大刀洗飛行場空襲により立石国民学校の子供たち31人の命が奪われた事件について、当時の記憶を語り始めた体験者たちの思いを描いたドキュメンタリー

委員からは
・当時の状況、どういう事件が起きたかということが分かりやすかった。さらに、引率した先生、保護者の方のその後を、背負っていく苦悩と過去のステージとを重ねて表現しており、30分番組の中で過不足なくうまく構成されていた。
・戦争の悲惨さを改めて多くの人に知ってもらうとともに、2度とこのような悲惨なことを繰り返さないと強く訴えた番組だ。主人公をはじめ、苦しさを抱えながら生きていくような人を出さないという意味で非常に意味がある。
・「忘れられないあの日」というタイトルは、忘れたくても忘れられなかったという苦しい記憶と、それでも伝えていかなければならないという使命感を反映したもので、体験者の思いが凝縮されたタイトルだ。 と評価があった。

一方で
・現代において戦争を二度と起こさないようにするには、75年たって当時とは状況が違うなかで、どうやったらうまくそのメッセージが伝わるのか改めて考えないといけない。
・国家、宗教、民族の違いなどで、いろんな意見が違い、そういった中でどういうふうに理解し合って、それを暴力ではなくて、いかに合理的に解決していくか。そういった能力を身につけてもらうというのが最終的な目的で、それが平和につながるというところを考えれば、違う題材で太平洋戦争まで振り返らずに、今後、もっと身近な素材で訴えていくというような番組もできるのではないか。
・悲惨さを伝えていくためにはいろんな題材やいろんな角度からの番組作りというのができると思う。これからもそういった視点で番組をぜひ作り続けて欲しい。
・当事者インタビューはRKBが37年前に取材しているというファクトも含めて、出典を明記してきちんと視聴者に伝えたほうがいい。
との意見、提案があった。

制作者は
・報道機関としての役割というのは様々あるが、その中の大きな一つが、戦争を2度と起こさせないために尽くしていくとういう大きなテーマだ。
・今後は違う手法をとっていかなければ、「戦争を起こさないためにできること」というのは伝えられないという意見や、悲惨な経験以外なものを伝えながらのアプローチの必要性があるという多くの委員の意見について、考えていかなければいけない課題だと改めて認識した。
・コロナ禍ということで、取材相手もご高齢で苦戦した。が、こういった中でも受けてくださった皆さんのことは、今後もこれからの活動について、記者である限りずっと追い続けていきたいと考えている。
・RKBでは培ったノウハウと、記録が膨大にあるアーカイブ、先輩方が積み重ねたものを受け継ぎながら、若い記者のチャレンジを促している。

と説明した。

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