第648回番組審議委員会を7月21日(火)午後2時から、RKB毎日放送本社会議室で開催した。
<審議委員>
出席委員 6名
木下 結香子、中村 弘峰、濱地 信市、原 祐一、平川 俊介、松藤 幸之輔
書面出席 4名
安部 進一郎、篠崎 香織、松本 義人、村上 和彰
<放送事業者>
井上社長以下10名
<議題>
①番組審議
②業務報告
<議事の概要>
テレビ番組審議 日本のチカラ「夏に、冬に、咲く ~夫婦がつむぐ線香花火~」3月8日放送
日本で2社しか残っていない福岡県みやま市の線香花火製作所の夫婦の伝統産業を残したいという一年間の奮闘模様を追ったドキュメンタリー。
委員からは
・誰もが知る線香花火だが、今、日本国内で僅か2社となって、その会社が企業努力を重ねる姿を追っていくという題材は大変興味深い。
・音楽の使い方、選び方がよい。また、ナレーションも番組のトーンに合っており、落ち着きもあり、心地良さを感じる。
・線香花火という題材もあるが、繊細な感じと、登場人物自体の温かくて優しそうな感じの人柄が描き出されていて、昨今こういうコロナ禍の状況や災害のことなどで、ささくれ立つニュースが多い中で、すごく癒やされた。
・この番組のハイライトは、線香花火のシーンを「蕾、牡丹、松葉、散り菊」と説明し、4つの世界を人の一生になぞらえたところが最高潮で感動的だ。
・番組内の映像は自然体で、またインタビューで登場する人物の発する一言に多くの思いが込められていて良質なドキュメンタリーに仕上がっている。
と評価があった。
一方
・6月から取材して、四季を通じて内容が濃厚で題材も良く、これは中身がある。もっと長い尺の物のドキュメンタリーとしても成立するのでは。
・花火にまつわる深く知的な知識をはじめとして、日本人の心の問題として、今、我々の文化度は下がっている。なぜ、そうなってしまったのか問題提起があったらよかったのでは。
・柳川、八女、大川など幾つかの地名が出てきた。本番組は全国ネットでも放送されて、福岡県民以外はこれらの地名になじみがない。これらの地域が歴史的に関係の深い地域であることをどこかで触れて欲しい。
と意見、提案があった。
制作者は
・プロデューサーとしては、企画段階でストーリーが面白く、深みを感じた。20代の若い制作者が、30分の枠で、文化、伝統というものをどういうふうに描くのか。わわくわく感と、楽しみもありチャレンジンさせた。
・制作者として、取材をすすめるにつれ、線香花火は身近だったのに、こんなに知らない背景がたくさんあったんだという知的欲求が満たされるわくわく感が生じ、その感情を見ている人たちにもお届けしたいと思った。
と説明した。