第627回番組審議委員会を6月19日(火)午後2時から、RKB毎日放送本社会議室で開催した。
<審議委員>
審議委員
大野 繁樹、神本 秀爾、木村 治枝 坂井 一賀、都築 明寿香、豊馬 誠、帆足 千恵、堀江 広重、松浦 泰彦、山本 修司
放送事業者
井上社長以下19名
<議題>
① テレビ番組審議 「忘れない7.5~検証・九州北部豪雨~」
5月27日25時20分~26時20分放送
② 業務報告
<議事の概要>
2017年7月5日に発生した九州北部豪雨。福岡・大分両県で計40人が犠牲となった災害から、あと1か月あまりで1年を迎えるのを前に、被害が拡大したメカニズムを徹底検証する。
犠牲者のなかには、1歳の長男を守るように抱きかかえた状態で見つかった女性もいる。お腹の中には、新たな命も宿っていた。残された女性の父親が、いま思うことを通して、懸命に前を向く被災者の11か月を描く
委員からは
・被災者の方との深い信頼関係と、粘り強い継続した取材の力が番組の良さに反映している。
・先人が残したものを風化させずに、粘り強く、長く続けて行く事がRKBの災害報道の高い評価につながるはずだ。
・圧倒的な映像は改めて災害のすさまじさを再認識させられる。
・過去は風化してゆくので、今も起こっている災害について喚起を行い続けるという番組の意義は大きい。
・ボランティアにどういうやり方があるのか、情報提供として意味が大きい。
・復興予算、行政の制度の問題などは深く突っ込まず、示唆しながらクールに進む構成はドキュメンタリーとして好印象だ。
・災害が起きた当初は関心が強かったが、1年も経つと危機意識が薄れている。安心しないようにと再認識した。
・地域に根ざしたメディアだからこそ、このような番組はローカルのテレビ局が取り組むべき意義がある。
・メディアの大切な役割の一つが、このように震災の教訓を後世に残し、伝えてゆくという啓蒙活動でもある。
・「被災者が自然災害に対峙する」という姿は感動があり、制作者の自然災害に立ち向かう心構えを訴えた検証は大変良かった。
・幾重にもテーマが積み重なり構成に厚みがあり、引き込まれる内容である。
と評価があった。
一方で
・大事なインタビュー部分でノイズが入り込み視聴者がきちんと聞くことが出来たかどうか不安がある。
・インタビュー部分に誰もが分かるテロップが必要なのでは。
・災害被害の重大さだけではなく、被災を防ぐためにすべきことをもう少し伝えて欲しかった。
・せっかく訴えかける内容でもあるので放送時間について検討を要す。
との意見があり
・災害について、歴史的、地勢的、自然環境の変化などを全体に捉えた中での課題、検証を取り上げて欲しい。
との要望があった。
制作者から
・報道部では通常のニュースの中で「忘れない7.5 ふるさとの今」というタイトルで休まず被災地のニュースを出し続けており、1年の節目でこの番組を制作した。
・現場で汗をかいている若い記者に、一番作りたいという思いを番組化して欲しいと要望した。
・これを機に、5年後、10年後も同じように地域のために役立つ番組作りを期待している。
・今後も長い復興の道のりがあるので、風化させないようにという思いを込めた。
・なるべくテロップに頼らず、表情、雰囲気を伝えるシーンを活かしたかった。
・被災を防ぐにはどうするかという面では一定の成果が合ったが、もっと深く広くうまく伝えることが必要だと思う。
・視聴者に被災地への思いをはせていただき、支援が継続的になれば良いし、又、防災という意識を高めるきっかけになればという意図を込めた。
と説明があった。