第622回番組審議委員会を1月16日(火)午後2時から、RKB毎日放送本社会議室で開催した。
<出席者>
審議委員
大野 繁樹、黒田 明、坂井 一賀、佐々木 洋子、庄崎 秀昭、豊馬 誠、帆足 千恵、松浦 泰彦、山本 修司
放送事業者
井上社長以下18名
<議題>
①番組審議
神宿る島・沖ノ島の至宝 「奈良三彩小壺 再現への挑戦」
②業務報告
放送番組種別についての報告
<議事の概要>
唐津焼陶芸家十四代中里太郎右衛門が、神宿る島・沖ノ島から出土した国宝奈良三彩小壺の再現に挑み、試行錯誤の苦難を乗り越え、中国にまで足を運び、完成まで2年の歳月を要した軌跡を追うドキュメンタリー。
委員からは
・沖の島の宝物を扱う番組としては、比較的地味な雰囲気だが、非常に良質の作品に仕上がっている。
・千数百年前の技術を現代に継承するというテーマは、AIなど進んだ現代技術を持ってもたどり着くのが困難だという、過去のすさまじさを感じた。
・一流の名工が技術を磨く考えかた、取り組みの姿勢がこの番組の柱でそれを学ぶことができた。
・番組の過去の文物を再現するというアプローチは先人の思想、行動意識を深く考えさせられ、歴史を分かりやすく学べる良いきっかけになる。
・復元までの流れの中で、解説が端的で分かりやすく、テロップも適切で陶芸の知識がない視聴者にも分かりやすく伝えようとする制作者の姿勢、努力がよく分かった。
・世界遺産に登録されたというこの時期、また正月の朝という比較的文化的に触発されるという放送時間といい絶妙なタイミングだ。
・中国ロケは大陸からの文明の流れが世界遺産に通じているというイメージをももたらし番組の中でも良いメリハリになっている。
又、
・なぜ、中里氏が再現することになったのか、どういう意味があるのかという必然性をもう少し説明を加えた方が良い。
・再現が成功した要因は何なのか、わかりにくかった。
という意見があった。
制作者からは
・RKBは世界遺産登録に向け十数年前から取り組んでおり、いろいろな活動をする中でプロジェクトのひとつとして奈良三彩の再現に挑戦した。
・何が成功要因かは制作者としては判然としないが、中里氏の芸術家として再現に一番近づけた、理想に近づけたという満足度だ。
・専門的な難しい事をいっても視聴者には伝わらないので、ある程度レベルを一定にして分かりやすく伝わることに努力している。
と説明があった。
また、会社側から、放送法に定められた放送番組種別についての報告が行われた。平成29年度上期は、報道28.7%、教育13.5%、教養22.3%など、放送免許の条件に適合していることが報告された。またCM時間についても16.65%で、自主規制値の18%を下回っていることが報告された。