第617回番組審議委員会を6月20日(火)午後2時から、RKB毎日放送本社会議室で開催した。
<出席者>
審議委員
小田 昌彦、坂井 一賀、佐々木 洋子、庄崎 秀昭、豊馬 誠、松浦 泰彦、山本 修司
放送事業者
井上社長以下20名
<議題>
①テレビ番組審議「氷の大陸から ~南極観測隊同行記~」5月28日放送
②業務報告
<議事の概要>
「氷の大陸から ~南極観測隊同行記~」は日本が南極観測を初めて60周年の節目に、地方の民間放送局として初めて同行取材したRKB記者の制作した番組。オーロラやクジラの群れ、ペンギンなど、圧倒的な大自然が広がる南極。そこでの知られざる観測隊の生活と最新の地球環境変化の研究成果について紹介している。
委員からは
・南極基地での生活の様子の変遷、また、様々な自然界のデータを示し、大変興味深く見ることが出来た。
・地球規模の課題を考えさせるような大変有益で、地方の民間放送局として果敢に取り組まれたことは高く評価される。
・全体的に大変すばらしく、上質な番組である。
・番組は環境破壊への警鐘というテーマだったが、だんだん危機が現実になってきているという視聴者へのメッセージが明確に出ている。
・温暖化による影響は良く知られているが、具体的な事実によってそのことを伝えるというのは、手法として非常によかった。
・南極観測という点から、温暖化の問題、太古からの大陸を解明することによって、実は地球の未来が見えてくるという位置づけは、すぐれた観点であり、ビジュアルによって、よりわかりやすく、かつ意外性を持っており非常によかった。
という評価があった。一方で、
・放送時間は内容を考えると朝の早い時間だと厳しいのではないか。
・30分では収まり切れない内容だったのではないか。視聴者はもっと知りたいことが多いだろうし、充分に伝えられていないのでは。
・こういう番組こそ、時間をとって、しっかり視聴者に見せるという姿勢も局には必要だ。
・番組によって、今後、生態系がどうなってゆくのかなど様々な疑問がわいてきた。これから、南極から見た地球環境の変化というテーマで、幅広く第2弾、3弾を期待する。
と意見があった。
制作者からは
・南極取材は、当番組のためだけではなくて、ネットローカルを含む27番組で報じ、それらの内容の中から、エッセンスを抽出するような形で制作した。
・今回の取材で特筆すべきは、取材クルーではなく、記者1人で撮影、ペン取材、編集を行い、中継も一人でこなした。
・温暖化の兆しはいろいろなところにあって、東南極は初めての調査だが、そこにも温暖化の兆しを幾つも見つけることができ、そういう現場に同席することができた。
・ご指摘のとおり、とても収まる内容ではない、いろいろな要素があり、今後、いただいたご意見を参考にしつつ、1時間番組などに展開して行きたい。
と説明があった。