RKB毎日放送株式会社

番組審議会報告

RKB毎日放送番組審議会の議事概要

第636回(2019年5月15日)
第636回番組審議委員会を5月21日(火)午後2時から、RKB毎日放送本社会議室で開催した。
<出席者>
審議委員……… 神本 秀爾、木村 治枝、都築 明寿香、堀江 広重、安部 進一郎、井上 和久、中村 弘峰、村上 和彰、松藤 幸之輔
放送事業者……… 井上社長以下24名

<議題>
①テレビ番組審議
令和特別番組「古代を学び、未来へつなぐ ~万葉学者・上野誠~」5月10日放送
②業務報告
<議事の概要>
改元のタイミングに合わせて、奈良大学で教授を務める 福岡出身の万葉学者、上野誠を追った番組。「8世紀を生きた人びとの考えを知り、今を生きる私たちの指針としたい。」という、上野誠の魅力に迫っていく。

委員からは
・万葉集の専門的な説明が、知識がなくても分かりやすく、勉強になった。
・万葉集ゆかりの地と歌を、その土地の風景もまじえる構成により、テーマがはっきりと分かる。
・このタイミングで、地域の放送局として、太宰府、万葉集をテーマに「不安な時代だからこそ、足元を見て欲しい」というメッセージは世の中にすばらしい問いを投げかけている。
・日々、情報収集して,社会のでき事に対応して、瞬時に番組を創る事には驚かされた。
・令和改元というタイミングで、歴史だけではなく、上野先生という人物にフォーカスをあてるという試みは大変面白い。
・資料の使い方、話の引き出し方など、誠実に制作されておりいい番組だ。
・上野誠という研究者の経歴、活動、主張を知ることができて面白かった。
・従来の令和と万葉集の番組と観点が異なっており、万葉集をより身近なものに感じさせた。
・令和改元の典拠になった万葉研究家に焦点を当てた、時宜を得た番組だ。
・太宰府からアジアの玄関口博多の地勢と万葉研究者を通じて、視聴者それぞれに自分は何かというアイデンティティーを改めて問いかけており、見応えがあった。
・最後の場面で、日本文化の有り様を「桜梅文化」として表現している事が印象的でよかった。
・文化を通しての国際交流による平和の尊さ、これを未来につなぐという番組メッセージは明確に伝わってきた。
と評価があった。
  一方で 
・政治に関するコメントの使い方は難しく、現代のフレームワークで過去を見ていいとこ取りをするストーリーになっていた。
・番組中に「過去と現在でコンテクストは異なるが、過去のでき事を再解釈する事で新しいビジョンを提示する事ができる」という補足を加えれば説明の正確性が増す。
・細切れのシーンがたけ続けに出て、ナレーションも少なく、見ていて整理がつかず、追いつけないケースがあった。
・素材が盛りだくさんで、ナレーションも少なく、消化不良だった。安心してストーリーが見られるためには次の展開に予想がつく、あるいは意外性がある事が必要。
・タイトルの「古代を学び,未来へつなぐ」であれば、未来へつなぐというシーンをもっと長く深くしても良いのでは。
・短い動画を見慣れた層には、60分という尺で飽きずに見せさせる事は難しく、転換点が必要で、そこからの展開が期待できるという事で見られるのではないか。
・エピソードや話の展開の重複があり、また、時間軸がめまぐるしく変わり、30分のバージョンに比べ、冗長になっている。
・映像について、かっこいい、わくわくするような絵が少ない。
と意見があった。
また、
・地域に根ざしたテーマでもあり、番組とイベントを連動させ、SNSの活用により来場者をファン化する事も可能では。
・映像素材を放送だけではなく、AR技術でスマホの位置情報を使いその場所で映像が見られるといった、地域に根ざした放送局ならではの試みをしてはどうか。
との提案があった。


制作者は
・取材は改元発表の前から手がけており、3月に放送した後、発表から速やかに追加取材し、新たな番組として再編集し、タイムリーな放送ができた。
・この番組に込めたメッセージは万葉集を身近に感じていただきたいということ。
・人も物もないなかで、残された書物から番組をつくる、映像化するのは難しく、苦労したが、上野先生を語り部にして、独特な語り口を映像として見せたかった。
・時代に合わせて作りたい事を優先したために、構成としてわかりにくい部分があったのは否めない。
・タイトル「未来へつなぐ」は、若い方々に万葉集を学んで自分の足元を見た上で、それをベースに自分で考えて未来を見て欲しいという、メッセージだ。
と述べた。


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