RKB毎日放送株式会社

番組審議会報告

RKB毎日放送番組審議会の議事概要

第642回(2020年1月21日)
第642回番組審議委員会を1月21日(火)午後2時から、RKB毎日放送本社会議室で開催した。
<出席者>
審議委員……… 安部 進一郎、神本 秀爾、都築 明寿香、平川 俊介、中村 弘峰
井上 和久、堀江 広重、松藤 幸之輔
放送事業者……… 井上社長以下21名

<議題>
①番組審議
テレビ番組 「人類VSプラスチック」
12月25日(水)25:40~26:40 放送
捨てられたプラスチックが海にただよい、海洋汚染が深刻になっている。
その原因をさぐるとともに、3日間のノープラスチック生活に挑戦。
食事はどうする?風呂はどうする?私たちができること、すべきことは何かを考える。
②業務報告
<議事の概要>

委員からは

・現在の海洋汚染やプラスチックの人間に与える悪影響などわかりやすく紹介してある。
・海外を含めたさまざまな取り組みやリサイクルの技術などによる再利用などの提示は、環境問題の解決への理解や意識づけに非常に有効であった。
・感情を揺さぶるところと知識を与えてくれるという点において、適切な内容が盛り込まれていた。
・環境問題に関する話自体は決して新しいトピックではないが、ここ最近、企業もどんどんSDGsの話なんかするようになり、タイムリーなトピックだ。
・視聴者が共感できるような要素を盛り込むことで、結果的にこの番組が取り上げたかったテーマを多くの人が、自分事として考えることができるようになる。
・子供が見ても入りやすい内容で、教育的な啓蒙をする番組であり、安心して見せられる.
・地球温暖化であるとか水質、大気汚染、ごみ問題など以前に比べると随分意識は高まっているが、改めて視聴者に対して、この問題にどう取り組むべきかということを考えさせるいい機会になっている。
・マイクロプラスチックを体内に取り込んでいるという話は将来的にはアスベスト問題のようになるのではと思い、こういう話まで織り込んでいることは評価できる。
・ベトナムでのプラスチックごみの処分問題も驚かされた。日本から資源として輸出され、結果としてごみ捨て場になっている現状というのは、これは喫緊の課題ではないかなと思った。制作者のそういうプラスチックごみの問題を訴えたい気持ちは十分に伝わった。
・プラスチックに代わる新しい素材の話、リサイクルの新しい技術紹介など将来に希望があるというのもよく分かった。
・50分番組なので、その中身もすごく濃かったし、ある意味、これはショック、インパクトを与えることを狙った番組だなと思った。
・ドイツの小学校取材は、過剰包装の現状から本質を見抜く教育をしているということをやっており、端的な事例で、それを伝えているという意味においては、気づきの部分が多くあった。
・番組の狙いは、視聴者の意識の覚醒が大切で、まず知ることから訴えるという内容だと思う。したがって、共感を呼べるかがポイントだ。その意味では、50分間で見せた作り方の展開としてはよかったし、ある意味、危機意識を強調して、最後まで安心させないという作り方だ。
・当たり前になってしまっていることが、世界的に見ると当たり前ではないこと。当たり前になっていることが環境破壊などにつながる恐ろしいものであることに気づかされた、とても意義のある番組だったと思う。
と評価があった。

一方で
・使い捨てプラスチックといっても、実際には決して悪いものばかりではなくて、我々の生活に大いに役立っているものもたくさんあるということも事実。
・見方によっては、使い捨てのプラスチックは全て悪いというようにも見え、そういうふうに解釈されるおそれがある。その必要性や利便性などもしっかりと考えて伝えるべきだ。
・50分という時間をきちんと見てもらえるのか。10代、20代、30代前半ぐらいまでにとってのメディアの形式と尺の問題はかなり大きい。
・シェアリングエコノミーというのが若い人の中で広がっている。この点も盛り込むと若い層が考えるヒントになるだろう。
・全体として見ると未整備な断片をたくさん見たという印象になった。それに視聴者としてはずっと怒られているような気分になったのではないか。
・既に制作者が持っている主張を表現するために素材が編成されているような印象を受けてしまうところが何カ所かあった。これは主張があるのが悪いのではなく、もっと繊細な工夫が必要ではないのか。一視聴者として見たときに、この番組が取りつけようとしている同意の取りつけ方に納得が行かなかった、何かすっきりしなかったという印象がある。
・番組全体として無用なプラスチックを使う行為は悪であるというメッセージが強烈に残って、ほかに事情があることを許さないといった排他的な構成であるように受け取ってしまった。幾分伝え方として不十分なところがあったのではないか。
・5つの構成でできていて、一つ一つが濃く濃縮されてできていたので、見ていて、おなかいっぱいになる感じがあった。一個一個に分けてやっていってもできるぐらいのボリューム感だった。
・課題解決にはどうすればいいのか、自分たちにできることは何かという点を幾つかに分けてシリーズ化でやってもらえると、自分も何かできる、もっと希望を持てるような番組構成になっていくのではないか。
・「人類VSプラスチック」というタイトルは、人間とプラスチックを対立させているがプラスチックも人類が作ったものだということをもっと突きつけるべきだ。本来ごみは自分たちが作り出したもので、でも、もともとはごみじゃないわけだからそのことをどう考えるのか、そういった貫かれている思想を深く持ってほしい。
・年間にどれだけのごみが発生していて、そのうち日本ではそのごみがどのように処分されているのか。不適切に廃棄され、放置されるものが全体の割合でどのくらいあるという全体像を最初に示し、そしてこれまでの経緯から現状の問題点、課題を視聴者に訴える。そこから今度は実際に、脱プラスチック生活をするところ、そして、海外での取組の事例だとか、そういった構成のほうが理解しやすいのではないか。
・この番組はディレクターのプラスチック社会への懸念を強くにじませ、やっぱり作り手の怒りが出ている。解決策を示しながらも、作り手の意識が余りにも前に出過ぎていて、そっちに引っ張られると理解しにくいという印象がある。
・石油製品の源まで見渡したリポートがあると、もっとこの問題への理解が深まる。
・テレビ報道は人心に大きな影響を与えるので、こういう深刻な社会問題は、一方からではなく、多面的に見てより根源的なところから伝えていくといい番組になるのではないか。
との意見、提案があった。

制作者からは
・一昨年の年末に全国ネットの環境番組制作がきっかけで、それまで何も環境に興味もなかったが、勉強し、毎日ごみを拾いに行ったりしていたので、知的好奇心がどんどん満たされていって番組に結びついていった。
・環境に全く関心がない人でも最後まで見てもらえる番組、関心を少しでも持ってもらえるということに一番心を砕いた。
・ショック療法で、一石を投じたかった。まずはとにかく地球はこんなふうになっているんだよということの危機感を持って、インパクトを持って受けてもらいたいという思いが全面に出た。
・思想が貫かれていなかったというご意見はそうだと思う。制作陣は長いこと追いかけ続けてきたテーマではないので、ゼロから勉強しながらで、私たち自身の揺れ、試行錯誤という面が出ていたのは否めない。
・放送局としてこれからどうしていくのかという点については、まさに考えているところ。これからの番組制作だけではなくて、社内で私たちがどんなふうに取り組みができるかというところも考えて少しずつではあるが実践している。
・断片的なことが重なっているのは、まず知ることからだと思い、主張が強過ぎたということにもつながるが、とにかく伝えようとの思いで作った。
・「人類VSプラスチック」というテーマだが「人類VS人類」だと思い、プラスチックも結局人間が作っているということまで伝えたかったが、そこが少し足りていなかった。
・これを見ていきなりプラスチック社会のことを視聴者の人にみんな考えてくれというのは無理で、まずはこの番組を見てあしたからレジ袋を誰かが断り、マイバッグを持っていくということができたらと思っている。
・尺の話について、60分見るのはきついということは制作側も強く感じている。ネット上では見る限界は10分マックスかなというのもあり、1つの長い尺の中に何もかも詰め込むのが果たしていいのかどうか。短い尺でもいろんな視点で作っていく、シリーズ化していくというほうがいいのではないかと議論している。
と説明があった。

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