RKB毎日放送株式会社

番組審議会報告

RKB毎日放送番組審議会の議事概要

第659回(2021年9月21日)
第659回番組審議委員会を9月21日(火)、RKB毎日放送本社会議室と各委員をインターネットで結ぶWEB会議で開催した。
<審議委員>出席委員  9名
青栁 明彦、上符 友則、木下 結香子、小湊 真美、篠崎 香織、髙藤 英夫、
濱地 信市、松本 義人、森野 茂生
      書面講評  1名
井手 健一郎
<放送事業者>……… 佐藤泉社長ほか 計11名

<議題>
①社業説明
②番組審議
③業務報告
<議事の概要>
議題 番組審議
ラジオドキュメンタリー番組「永遠の平和を あるBC級戦犯の遺書」
8月11日(水)午後10~午後10時52分 放送
プロデューサー/ディレクター 大村 由紀子(テレビ制作部)
音声ディレクター       寺岡 章人(フリーランス)

太平洋戦争末期、沖縄石垣島でのアメリカ軍兵士捕虜3人を処刑した「石垣島事件」のBC戦犯として、終戦から5年後の1950(昭和25)年4月、巣鴨プリズン(東京拘置所)で処刑された28歳(当時)の元下士官が、福岡県の家族に残した遺書をもとに、戦争の不条理と平和の大切さを描いたラジオドキュメンタリー番組。令和3年日本民間放送連盟賞のラジオ教養部門の優勝賞。「地域から世界へ平和の大切さを訴えている。今、語り継がないといけない内容で、丁寧な取材だ」と評価を受けた。

委員からは
・戦争がなければ米軍捕虜殺害事件も、その事件に関わったBC級戦犯の逮捕、処罰、処刑も起こらなかったというメッセージを明確に伝えることに成功している。
・戦争犯罪者の行為は、命令によって、あるいは仲間への報復のために、そう行動せざるを得なかったことと、それを本人たちが後悔して、永遠の平和を犯罪者である彼らが願うという意味で、とても感慨深い内容であると思った。
・手紙というか、言葉の持つ重さというのを感じた。
・「海と毒薬」という遠藤周作の本を思い出した。戦争の異常な心理状態、今も終わっていない戦争。登場人物皆さんの家族や人生が詳しく語られていると感じた。
・自分が同じ立場になったとき、上司の命令に抗えるだろうか。本当に戦争の悲惨さというのはよくわかった。
・市民から見た側面、従軍した人から見た側面、被害者から見た側面、加害者から見た側面と、視点によって戦争の捉え方が変わり得るものだと思う。被害者側と加害者側と一刀両断には割り切れない戦争の複雑さを、迫真性をもって感じることのできる番組だ。
・ナレーションや朗読のタイミング、スピード、適当で非常に聴き取りやすく、また、場面の転換で使用される効果音、曲なども違和感なく聴き進めることができた。

一方で、
・行き来する時間軸を瞬時に了解できないものもあった。
・証言者が複数登場するが、内容が聴き取りづらかった。写真の話も出てくるが、ラジオでは当然見ることができず、テレビ的な番組だなと思いながら聴いていた。
・処刑された米兵3人の遺族が、この裁判の経緯とか、あるいは遺書についてどう思っているのかも取材して報告できたら、番組に一層厚みが出たのではないか。

制作者は
・71年前に処刑された方の写真が、去年見つかり、そこから取材をスタートした。
・テレビでは遺書をあまり紹介できなかったので、遺書の部分を増やそうと思い、ラジオ番組を制作した。
・戦犯、その家族と言われた方々は、70年間を黙って、大変なご苦労を抱えて戦後生きてこられた。戦争犯罪は、今の刑事犯罪者とは全く違う中での出来事で、その説明を丁寧にすることを心がけた。
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