立て続けに2度の大雨に見舞われた九州。住宅の浸水や農作物の被害も発生している中、今週末に再び最大級の警戒が必要となりそうだ。一時的になりを潜めている梅雨前線が週末に再び活発化し、九州北部付近に“停滞”する見通し。通過性の大雨と異なり、前線が“停滞”すれば総雨量が膨らむ傾向がある。大災害につながるおそれもでてきた。気象予報士の横尾槙哉氏が解説する。
めまぐるしく変わる天候、前線の通過で水曜は大雨→木曜は晴れ
九州は4日火曜日の夜から5日水曜日の午前にかけて、低気圧からのびる前線が通過することで広く雨となります。前線の通過時は激しい雨や雷雨のおそれがある一方、前線そのものは比較的短い時間で通過します。ただ、雨の時間が長くなくとも1時間で50ミリ以上の非常に激しい雨が降ると、排水が追いつかずに道路が冠水したり、これまでの雨で地盤が緩んでいるところは土砂災害が発生したりするおそれがあります。6日木曜日は一転して晴れ予想。予想最高気温は筑豊地方など内陸を中心に35度の猛暑日となり、今度は暑さに注意が必要です。
週末は危険な“兆候”梅雨前線の停滞で被害
そんな貴重な“晴れ間”の後は、危険な兆候が出ています。週末から来週のはじめにかけて別のメカニズムで再び大雨に見舞われそうです。梅雨前線が九州北部付近で停滞することが要因です。梅雨前線が停滞すると、過去に大きな被害をもたらした時のように長時間にわたって雨が降り続くため、総雨量が多くなります。大雨災害の危険度が高まるおそれがあります。
横尾槙哉=RKB気象予報士・防災士
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