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「大雨が増えている」説 確かめてみると40年前に比べ2倍に! 専門家は「地球温暖化の影響」

急に雲がわいて降る、局地的な大雨。「数十年に一度」「100年に一度」「大雨特別警報」という言葉もひんぱんに目にします。実際に雨は増えているのか。増えているなら、その理由は? 気象予報士の資格を持つRKB「タダイマ!」宮脇憲一キャスターが専門家に聞きました。

「局地的な大雨」の発生回数は2倍に

福岡管区気象台 気象防災部 野津原昭二さん「より強度が強い雨ほど、増加傾向が見られます。1980年ごろと比較して、大雨の発生回数は約2倍に増加しています」

 

大雨が降った10年間の平均回数を分析します。まず「1時間に50ミリ以上」の大雨。1976~85年(約40年前)は約230回でしたが、2012~21年は約330回で1・4倍に増加しています。さらに、「80ミリ以上」は約14回から約24回(1・7倍)に。「100ミリ以上」も約2・2回から約4・2回(1・9倍)になっていました。

大雨が増えた原因とは?

激しい雨の発生回数が増えているのは、間違いありません。原因を聞きました。

 

福岡管区気象台 気象防災部 野津原昭二さん「地球温暖化の影響があります。気温が上がることで、空気中の水蒸気量が増えることが原因として上げられwます」

 

局地的な大雨は、積乱雲によって発生します。暖かい空気と冷たい空気がぶつかったり、太陽で地面が照らされたりして、強い上昇気流が発生すると雲が分厚くなり、積乱雲になります。暑い日が続くと上昇気流も強くなり、湿った空気を長い間空気中にとどめ、積乱雲がとても大きくなります。湿った空気を上昇気流で支えきれなくなると、突然大きな雨粒となり、ザーザー降りの雨が降り出します。

 

Q.局地的な大雨は、これからも増えるのでしょうか。
福岡管区気象台 気象防災部 野津原昭二さん「地球温暖化が進めば進むほど、極端な現象の発生頻度が多くなり、災害が起きるリスクは確実に高まると考えられています。将来、リスクが高まると見越した考えを持つことが大事」

「熱帯雨林で降るスコールのよう」

RKBで気象を担当している龍山予報士の「見方」です。

RKB龍山康朗気象予報士「温暖化が大きく関わっています。空気中にたくさん水分が入ることで、こういった雨が降ります。冬は空気が乾燥しているので、こんな雨の降り方をしません。気温が高いと空気中に水分がたくさんあるので、たくさん落ちてきます」

「さらに、すごく強い日差しを浴びると地面が温められて、地面の水たまりも蒸発し、上空に向かいます。上昇気流に乗って雲がどんどん発達するので、雨粒や氷の粒がどんどん大きくなりますが、上昇気流がすごいから、落ちずにさらに上がっていきます。すると、氷の粒同士がこすれ合って静電気が起き、雷が鳴る。雷と友にザーと降ってくるわけです」

「今の降り方は、東南アジアの熱帯雨林で降る“スコール”のような雨。気温が高いと、いろいろな現象が激しくなります。気温が高ければ、雨も雷も激しい。突風が起きる確率も高くなります」

今後3か月の気温も高い予想

最新の1か月予報では、9月15日までほぼ全国で平均気温が「高い」とされています。(「平年並み」の奄美地方を除く)。また、22日に出た「3か月予報」によりますと、9月~10月は「高い」、11月は「高い」か「平年並み」です。紅葉もずいぶん遅くなりそうです。気温が高ければ、10月でも台風がやってくるかも。警戒しないといけません」

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