街はにぎわい取り戻したのに・・・タクシーがつかまらない コロナ禍で職場を離れた運転手たち
新型コロナ5類移行後、街は賑わいをとりもどしつつあります。一方、全国的にタクシーが足りない状況が続いています。コロナ禍で何が起きていたのか。
目次
他業種に比べ深刻な人材不足
労働力不足が深刻な日本ですが、求人広告を手がける企業の担当者は、タクシー業界は特に深刻だと話します。
クリエイト福岡営業所 木村淳一所長
「全産業の有効求人倍率の平均が1.2倍。タクシー業界は、3.99倍です。3倍以上になります。1人の求職者の方に対して4社が募集を出している、4社が取り合いをしている、そういう状況です」
新型コロナが5類に移行してから飲食業や観光・宿泊業なども採用を増やしているため、より人材が集まりにくくなっているといいます。
クリエイト福岡営業所 木村淳一所長
「タクシー乗務員の平均年齢は約60歳。高齢化が進んでいるので、若年層の採用を促進していく必要があると思います。昼間は主婦の方、土日や祝日は、サラリーマンにダブルワークをしてもらう、夜は今まで通り、男性や年配の方、違う層をターゲットに採用する、という方法です」
「待遇面は改善されている」
人材確保に悩むタクシー会社ですが、運転手が減った分、待遇面は改善されているといいます。
姪浜タクシー 岩本芳浩社長
「売上上位の乗務員は、手取りで50万~60万あります。努力されている乗務員ばかりですから、8月の手取り平均は29万円です」
姪浜タクシーの乗務員
「家族を養うにあたり十分なお給料をいただいています。前職よりも上がりました。頑張ったら戻ってくるので頑張れます」
法改正の影響は
その一方で、2024年度から働き方改革関連法によりドライバーの時間外労働が制限されることから、離職者がさらに増える可能性もあります。街の活気は戻りつつありますが、タクシー業界にとっては、依然として厳しい経営状況が続きそうです。
この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう
この記事を書いたひと
田尻貴博
1986年生 熊本県出身