PageTopButton

市長と幹部職員全員が「女性の健康検定」を受ける理由 「生理や更年期など女性特有の健康と知識学び支援につなげたい」 

福岡県北九州市は、幹部職員全員が、働く女性の健康問題を学ぶ専門の検定試験を受検すると発表しました。女性特有の症状を知ることで支援につなげたいとしています。

「女性の健康検定」とは


北九州市の幹部職員全員が受検するのは、「女性の健康検定」です。生理や更年期症状など女性の健康と特有の疾患や、よりよい働き方のための対策について出題されます。

37人が受験予定 31人は男性


対象は市長や副市長などのほか、市役所の幹部職員合わせて37人です。このうち31人は男性。11月にオンラインでの受検を予定しています。
 

「働きやすい環境をつくることは重要な課題」


北九州市 武内和久市長
「これまで女性の力が北九州市を動かしてきたということが多々ある。他方で、今の雇用環境について女性の生の声を聞くと、もっと経営層の理解がほしいという声が強くあった。女性がもっと力を発揮できる、働きやすく住みやすい環境を作っていくことは非常に重要な課題だと考えている。しっかり幹部が筆頭にたって自ら負荷をかけてきちんと本気で向き合う」
 

女性特有の症状による労働損失は4,911億円


経済産業省の調査によると、「女性従業員の約5割が女性特有の健康課題などにより職場で困った経験がある」と回答。女性特有の生理などに伴う症状による労働損失は4,911億円との試算もあります。

「なんとかしないと日本がきちんとした方向に進まない」


北九州市の武内和久市長は、女性の働く環境について「色々なハードルがある」とした上で、「ここをなんとかしないと北九州市、あるいは日本全体がきちんとした方向に進まない」と話しました。

合格率は90%


「女性の健康検定」の平均合格率は約90%だということで、北九州市では、受検者全員の合格を目指し、働く女性の支援につなげたい考えです。
 

自治体の団体受検は全国初


検定を実施している「公益社団法人 女性の健康とメノポーズ協会」によると、「女性の健康検定」の主な受検者は、企業の人事部や保険会社の従業員、接客業の担当者などで、個人での受験がメインだといいます。団体での受検は、IT大手「ヤフー」が去年、全ての執行役員26人が受検して合格したということです。自治体では、北九州市が初めて。協会は、「働く女性が増えるにつれて女性の健康問題への理解の不足が問題になっている。市民に密着している自治体が、女性特有の健康問題にフォーカスするのは素晴らしいこと。知らないと理解できない問題なので、全国に広がってほしい」と話しています。
 

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう