「夫がよく育児する」佐賀県では妻の妊娠期を「マイナス1歳」と呼ぶ 父親の意識改革で?「子育てしやすさ」ナンバーワンに
少子化がとまらない今、労働力人口を増やそうと日本全国多くの自治体があの手この手で「子育てしやすいまち」をPRしています。そうした中、民間企業が行った意識調査で「夫がよく育児する」「子育てしやすさが自慢」というふたつの項目で、佐賀県が全国1位になりました。何が順位を押し上げているのでしょうか。
目次
「マイナス1歳」から父親に
佐賀県では、男性に子育ての当事者としての意識をもってもらおうと、2018年から独自の取り組みを行っています。
佐賀県健康福祉部 男女参画・こども局 古川大樹さん
「佐賀県では妻の妊娠期を『マイナス1歳』といい、子供が生まれる前のこの時期から男性の家事や育児に対する取り組み方を啓発する事業を行っています」
佐賀県が行っている「マイナス1歳からのイクカジ」 子育ての心得などを記載した「父子手帳」を母子手帳と一緒に配布するほか、沐浴体験や育休セミナーなど参加型のイベントも開いています。
これが「夫もよく育児をする」「子育てのしやすさ」の直接的な要因になっているかは分かりませんが、古川さんは、「佐賀県が子育てがしやすいとアピールしている中で、子育てすることが幸せだと感じてもらえていることは本当にうれしいです」と話しました。
「うちの会社にもいれて!」反響大きい制度も
県の職員のみが対象になりますが3年前、2週間以上の育休取得を促す新たな制度、「ハッピー・ツー・ウィークス」も導入しました。反響が大きいといいます。
佐賀県健康福祉部 男女参画・こども局 古川大樹さん
「この取り組みについてSNSなどでは『うちの会社でもその制度を取り入れてほしい』という声が多く聞かれています」
「話に耳を傾けると」夫婦仲が良くなる?
一方、外からは、佐賀県の「子育て事情」はどう見えているのでしょうか。
「父親であることを楽しむ」をモットーに活動しているNPO「ファザーリング・ジャパン九州」 代表の理事の森島孝さん(44)に聞きました。
ファザーリング・ジャパン九州 森島孝代表理事
「佐賀県は共働き世帯が多く、妻が働いているので夫も働くだけではなく家事育児の分担をしっかりしているように感じます」
代表の理事の森島孝さんによると、家事や育児がそれほどできない場合でも、満足度が高くなるポイントあるそうです。
ファザーリング・ジャパン九州 森島孝代表理事
「家事や育児ができなくても妻の話に耳を傾けてコミュニーションを取ると満足度が高くなる、夫婦仲がよくなる、このへん佐賀県の人はできているんじゃないでしょうか」
この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう