迫る津波に言葉の壁… 急増する外国人に“命を守る情報”いかに速く伝えられるか? ハード・ソフト両面で検討進む
東日本大震災から13年。2024年1月1日に発生した能登半島地震でも、津波からの避難について課題が浮き彫りとなりました。特に、言葉の壁がある外国人に、命を守るための情報をどのように伝えればいいのか、模索が続いています。
「津波の高さ」リアルタイムで把握したい
一方、津波への注意喚起のために、リアルタイムで津波の高さを測定する研究を行っているのが福岡工業大学です。
福岡工業大学 近木祐一郎教授「これはレーダーのアンテナになっていまして、一番上のアンテナが、電波を照射するアンテナ、海面に電波を照射するアンテナで、海面から跳ね返ってきた電波を、真ん中と下のアンテナで受信します。真ん中と下のアンテナに到達する“電波の時間差”を利用して、海面の高さを計測しています」
能登半島地震のように、震源が陸地に近い地震によって引き起こされた津波の場合、到達時間が短く、正確な情報を素早く伝えるのはより難しいとされています。「津波レーダー」はその弱点を補える可能性があると近木教授は考えています。
福岡工業大学 近木祐一郎教授「津波警報のシステムの課題は、近海域で起こった津波や地震に対して精度が出にくいという弱点です。レーダーで近距離海面だけにターゲットを絞って精度を上げることができますので、近距離で起こった地震などに対してかなり精度の高い、リアルタイムの津波の到来の情報を提供できるんじゃないかと思います」
“命を守る情報”どうやって多くの人に?
現在の測定範囲は150メートルですが、3キロに広げるアンテナの開発も始まっていて、将来的には30キロに拡張することを目指しています。
福岡工業大学 近木祐一郎教授「できるだけ早く開発して、センサーのネットワーク網を早急に構築し、潮位の測定精度・リアルタイム性を高めて、沿岸部に住んでいる人々の行動を変えていけるようなものを作っていくことが重要だと思っています」
南海トラフ巨大地震による津波被害などへの懸念が高まる中、命を守る情報をどうやって多くの人に伝えていくのか。ハード・ソフトの両面での模索が続きます。
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