福岡県西方沖地震から19年 「見ているのは南海トラフ地震であり首都直下型地震」 医師や看護師などが研修重ねる
最大震度6弱を観測した福岡県西方沖地震の発生から19年です。大規模な災害が発生した際、被災地で医療支援にあたるのがDMAT(ディーマット)と呼ばれる災害派遣医療チームです。もしもの時に迅速に対応できるよう日頃から研修を重ねています。
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DMAT隊員養成研修会 福岡県内23の災害拠点病院から医師や看護師など参加
指導担当者「今患者さんが来てトリアージタグを外してそのまま持っていくとなると、この患者さんが何もされないままじっとここで寝ているだけになると思うのでそれがないように」
今月、福岡市博多区で行われたDMAT隊員の養成研修会が開かれました。
DMATは、大規模な災害や多くのけが人が予想される事故が発生した際、負傷者の救助や病院の支援にあたる医療チームです。
元日に発生した能登半島地震でも、福岡県からおよそ110人のDMAT隊員が派遣され医療支援にあたりました。
この日の研修会には、県内にある23の災害拠点病院から医師や看護師、救急救命士など約50人が集まりました。
朝倉医師会病院・堀尾卓矢医師「実際現場に重傷患者が来た時に対応とか訓練しとかないと出来ないと思う」
田主丸中央病院・庄山徹看護師「去年の豪雨で被災した時にDMATに入っていただいて、患者さんの対応だったりとか搬送が必要な人の搬送とかご尽力いただいた。自分も何かできることがあれば参加したい」
病院の態勢切り替え・列車衝突事故想定の研修も
研修では、災害時に多くの患者を受け入れるため、病院の態勢を切り替えるシミュレーションをしたほか、列車の衝突事故を想定した実戦的な研修も行われました。
次から次へと運ばれてくる患者の対応に追われ情報の伝達がうまくいかない場面もありました。
朝倉医師会病院・堀尾卓矢医師「全然、想定していた以上に動けなかったです。でもあのような状況はあると思う」
田主丸中央病院・佐々木章洸救急救命士「患者さんが入れ替わり立ち替わり来るので、本来伝えようとした情報がなかなか伝えられない」
九州医療センター・野田英一郎医師(インストラクター)「ここに情報をあげようあげようと思ってここに人だかりができてしまっていた。報告待ちの列ができていた」
毎年、研修や訓練を実施していますが、DMAT事務局の若井聡智医師は、「災害への備えは十分ではない」と話します。
DMAT事務局・若井聡智医師「我々が見ているのは南海トラフ地震であり首都直下型地震である。それを考えると全国的にDMATは少ないので作り続けないといけない」
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