【ソフトバンク】世界レベル周東の快足 その盗塁タイムとは?
40試合で16盗塁は断トツ
世界の“スピードスター”ホークス周東佑京が、順調に盗塁の数を伸ばしている。5月21日現在で16盗塁。去年、周東と盗塁王を分け合った楽天・小深田ら3人が2位タイで続いているが、すでに5個差。セ・リーグに至っては誰も2ケタに達しておらず、周東の16個は断トツと言える状況だ。
2塁への盗塁は3秒台前半
盗塁のほとんどは1塁から2塁を狙うもの。塁間の距離は27・43メートル。諸説あるが、いわゆる俊足ランナーの場合、2塁への到達時間は3・2~3・3秒だそうだ。周東の盗塁を映像で分析してみると3・1秒であることが分かった。平均的俊足ランナーよりも0・1秒上回っている。では、この0・1秒を距離に換算するとどうなるか?塁間27・43メートルで、仮に3メートルのリードをとったとすると、約80センチ弱となる。たった0・1秒が80センチの差。この差で、アウトとセーフを分けるタッチプレーがあるとすれば、周東はかなり有利となるわけだ。
盗塁成功か阻止かは3秒前後でのせめぎ合い
一方でこんな理論もある。盗塁を阻止するべく守備側の作業。投手がクイックモーションで投げ、捕手が捕球後に2塁へ送球、野手がそれを捕球して盗塁を狙う走者へタッチ。この一連の動きが無駄なく行われれば3・0秒以内というもの。だとすると、いくら周東とて盗塁は成功しないことになる。だが、守備側の“完璧”は、常にとはいかない。どこかで多少なりともロスが生じてしまうのが人間業。盗塁敢行と盗塁阻止の作業は、3秒前後でのせめぎ合いをしていることとなる。
ここ数年のパ・盗塁王は60個未満がほとんど
今世紀=2001年以降のパ・リーグ盗塁王で、60個以上を記録したのはたった一人。2011年のホークス・本多雄一=現ホークス内野守備走塁兼作戦コーチだ。その数はちょうど60。セ・リーグでは、阪神・赤星憲広が3度、シーズン60個以上を記録している。これが70個以上となると、1985年の広島・高橋慶彦の73個まで遡る。
周東なら大記録更新も夢ではない
ここまで40試合で16個。143試合ペースに当てはめると57個となる。2020年シーズン後半に13試合連続盗塁の日本プロ野球記録を樹立した周東。どこかで猛チャージをかければ、本多コーチの60個超えは十分可能だ。さらに話を飛躍させれば、かつて阪急・福本豊が記録したシーズン106個という大記録を将来的に塗り替えられるのは、目下、周東が最も有力な候補だと思えてならない。
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