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太宰府の名フレンチ。時を重ねても色褪せない、“エッサンス”な一皿を。

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「Essence」(エッサンス)とは、「本質的なもの」「なくてはならないもの」を意味するフランス語。ゲストを喜ばせるために心を尽くす。古典技法をはじめとしたフランス料理のメソッドを元に、生産者や食材に向き合い料理を作る――。
そんな、料理人として、フランス料理店としての本質を究めるレストランが太宰府にあります。

太宰府 エッサンス 外観

賑やかな太宰府の参道を抜け、九州国立博物館に続く国博通りを進むと、辺りの空気は一変。喧騒から離れた閑静な高台に店を構えるのが「Restaurant Essence」です。階段を上った2階がレストランへの入口。早速中へ足を進めましょう。

太宰府 エッサンス 店内

木の温もりを生かした店内は、モダンでしっとりと落ち着いた雰囲気。窓の外に広がる太宰府の緑が何とも清々しいですね。客席には「飛騨産業」の広々とした天然木のテーブルを配し、職人の手仕事によって作られたアームチェアは身体を優しく包み込むようなフィット感。棚にはさまざまな専門書や料理の写真が飾られており、まるでシェフの自宅に招かれたような居心地の良さを感じます。

太宰府 エッサンス シェフ

店を営むのは、太宰府出身のオーナーシェフ・末吉正樹さん。料理人を志したきっかけや思いをこう話します。

「高校生の頃、家族に夕食を作ったことが料理人を目指すきっかけになりました。本を片手に作った見よう見まねの料理。正直、味はそうでもなかったと思います(笑)。だけど、家族はすごく喜んでくれました。『相手を想って作る料理は心に響く』そんな原体験が私の根底にあり、『喜んでもらいたい、喜ばせたい!』という気持ちが原動力です」。

太宰府 エッサンス シェフ夫妻 店舗より提供

末吉シェフは調理師専門学校を卒業し、福岡市内で経験を積んだ後、2000年に渡仏。フランス東部のジュラ地方、パリ、南西部のペリゴール地方、南部のプロヴァンス、さらには南東部リヨン近郊・ミヨネーの「アラン・シャペル」や、ルクセンブルクにあった「ル・ブーケ・ガルニ」など、星付きレストランで約3年半に渡り腕を磨きました。一時帰国した後の2006年には「在ルクセンブルク日本大使館日本大使館」の料理長に就任。
前菜・魚・肉・デザート・パンまで、すべてのセクションで経験を積んだこと、公邸料理人として世界各国の賓客へ料理を振る舞ってきたことが、何より自身の力になったと話します。

やがて2009年に帰国し、2011年には地元・太宰府に念願だったレストランを開業。サービスは主に妻の百恵さんが担当し、夫婦二人三脚で歩みを続けています。

太宰府 エッサンス 店内

着席してまず、温かみのあるショープレートが目に飛び込んできました。こちらは熊本で林業や木工デザインを手がける方に作っていただいた特注品だそう。“花が咲く木、実がなる木”というおめでたい木を選び、太陽の光をイメージしたデザインが施されています。写真は銀杏の木で、その他、秋には柿や栗の木、お祝い事には桜や松の木のプレートを……といった具合に、末吉シェフ夫妻のもてなしの心が息づきます。

太宰府 エッサンス オードブル

コースメニューはランチ・ディナー共に共通で、前日までの予約制。今回はハレの日に相応しい18,150円のコースをいただきました。

最初に3点のアミューズが供され、続くオードブルは「オーロラサーモンのミキュイ」。サーモンは昆布締めにした後、ヒッコリーのチップで燻製にし、低温スチームで仕上げています。肉厚な身が舌に寄り添い、解け、まったりと広がる旨味や脂の甘味がたまりません。フロマージュブランのムース、3種類のハーブを合わせたソース、セミドライトマト・セロリ・キュウリの清涼感もよく合います。

太宰府 エッサンス 魚料理

2つ目のオードブルをいただいた後は、贅沢な魚料理「活け締め天然真アラのクルートパルメザン焼き」が登場しました。鐘崎漁港で水揚げされた真アラは皮目を焼き、クルートパルメザン※をのせてオーブンに入れ、表面は香ばしく、身は潤みを帯びた仕上がりに。鮮度弾ける天草産の天然車海老と玄界灘産のヤリイカ、白丸ナスやズッキーニといった、生産者の顔が見える無農薬・有機栽培野菜も名脇役。甲殻類や魚介を煮出したブイヤベースをコンソメ状に澄ましたスープは風味豊かで、微かなアニスの香りが南仏料理らしい余韻を残します。

※クルートパルメザン=パルミジャーノ・レッジャーノ、自家製パン粉、発酵バターをシート状に伸ばした生地

太宰府 エッサンス 肉料理

続くメインディッシュは、仔羊の鞍下にあたるフィレ肉のような部位“セルダニョー”を使った「オーストラリア産仔羊のロッシーニ風」です。何度もオーブンを出し入れし、細やかに火入れした仔羊はシルキーな質感で、両面をキャラメリゼした厚みあるフォアグラにもうっとり。マデラ酒、仔羊のフォン、トリュフをたっぷりと加えた「ソース ペリグー」は芳醇で、フランス料理の真髄を感じる一皿です。

太宰府 エッサンス 肉料理

クラシカルなフランス料理と聞くと、“ちょっぴり重たい”なんて印象を持つ方が中にはいるかもしれません。しかし、そうはならないのが「Essence」末吉シェフの料理です。地産野菜を多彩に組み合わせ、肉の脂身は一度切り離し、余分な脂を落とすようにカリッと焼き上げてから添えるなど、食べやすさや全体のバランスまできっちりと計算。だから最後の一口までおいしく、心地よく食べ進められるというわけですね。

太宰府 エッサンス デザート

コースを締めくくるデセールは4種類から選べ、この日は八女抹茶の豊かな香りとほろ苦さが広がる「ガトーサントネール 季節のソルベ」(+500円)をチョイス。「サントネール」とは“100年”を意味するフランス語で、「長く作り続けていきたい」との思いで生み出された末吉シェフオリジナルのガトー(ケーキ)です。通常の5倍以上のバニラビーンズを加えた八女抹茶のババロアは濃厚で、ショコラブラン、レモン、ピスタチオのアクセントも絶妙。水を使わずに作られた「完熟マンゴーソルベ」の濃密な味わいも格別です。

最後に自家製のミニャルディーズ(食後の小菓子)とドリンクが供され、この日のコースは終幕。11~3月には「ガトーサントネール」に代わり、「ショコラの五重奏」と題したショコラのガトーが登場するので、こちらもお楽しみに。

太宰府 エッサンス 看板

「お客様はもちろん、生産者の方々や丹精込めて育てられた地産食材の一つ一つを大切にしたい。流行を追いかけるのではなく、時代を問わずに愛され続ける、そんなフランス料理を作り続けていきたいです」と末吉シェフ。

心を込めて作られた料理を、大切な人と向き合って味わう――。これほど幸せなことはありませんよね。「Restaurant Essence」でのひとときは時を重ねても色褪せず、いつまでも輝き続けるはずです。

この記事は積水ハウス グランドメゾンの提供でお届けしました。

店舗名:Restaurant Essence(レストラン エッサンス)
ジャンル:フランス料理
住所:太宰府市石坂4-6-17 2F
電話番号:092-555-3112 (完全予約制)
営業時間:12:00一斉スタート/17:30~入店19:00
定休日:月曜、第1・3日曜
席数:テーブル8席
個室:なし
メニュー:コース1,1000円、14,300円、18,150円(ランチ、ディナー共通)、グラスワイン1,320円~、ボトルワイン6,600円~ ※サービス料10%
URL:https://www.instagram.com/essence_restaurant_francais

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この記事を書いたひと

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