初めて見る映像でつづる 箱崎の1年

NEC Presents 新九州遺産

都会に残る小さな村

12月31日(火) 午前7時~7時55分
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筥崎宮、そして箱崎小学校
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福岡市東区の箱崎は今ではごく普通の市街地だが、歴史は古い。700年以上前の「元寇の役」で、町もお宮も焼けた。「日本が滅びるかもしれない」という恐怖が、最前線の箱崎で「敵国降伏」の祈りとなった。今、筥崎宮は「勝利の神様」として信仰を集めている。

正月の「玉せせり」、秋の「放生会(ほうじょうや)」。箱崎は、お宮の祭りで1年が彩られている。そしてもう一つ、地域の中心にあるのは、創立140周年を越える箱崎小学校だ。さまざまな催しが、学校を舞台に行われる。

だが、今ではマンションが建ち並び、消滅する自治会も出てきた。6年後、九州大学は箱崎から完全移転する。都市化の波に洗われながらも、古いコミュニティを維持する箱崎。その姿は、都会の中に残った小さなムラのようだ。

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箱崎「同年の寄り合い」とは?
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春4月、福岡市東区の筥崎八幡宮に、正装した数十人の男女が集まっていた。彼らに共通しているのは、「箱崎にかかわりがある、昭和45年度に生まれた人」ということだ。

男の本厄が明け、全員が42歳となった春、箱崎の同級生は筥崎宮に集まる。久しぶりに顔を合わせ、これから毎年集まってお参りする。これが、箱崎の「同年の寄り合い」だ。なんと明治から百数十年も続いているという。地元で育つ子どもたちは、親や祖父母から「この会には必ず参加しなさい」と言い含められて育ってきた。その会が今年も新たに始まったのだ。同年の寄り合いは、地域の力の源になっている。

同年の寄り合いは、還暦を迎えると伊勢神宮へと参拝する。秋11月、満60歳を迎えた会は、習わしの通り伊勢へと向かった。

箱崎に残る伝統文化の美しさ
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夏の夕べ、軒先に並べた手作りの土人形に、子供たちが線香を添える人形飾り。秋の放生会、2年に一度しかない御神幸。祭神が暗闇の中で神輿に移され、古式ゆかしい衣装の人々に担がれて、氏子の住む地域を練り歩く。大晦日、神話に基づき「なまこ餅」をつくのは、腰蓑を着けた漁師たちだ。正月の祭り「玉せせり」では、冷え切った男たちが、1年に一度だけ沸かされる境内の湯殿で、熱い湯に浸かる。カメラは、いつもは伝えられることのない、箱崎の姿を映し取る。

中でも今回初めて撮影に成功したのが、上空のヘリコプターから見た夜の放生会。箱崎は、福岡空港の航路下に位置し、空撮はほぼ不可能な地域。だが今回は、たまたま放生会期間に台風が東日本に接近し、福岡行きの航空機に欠航が相次いだ。一方、福岡には台風の大きな影響はなく、たった1日だけ撮影チャンスが生まれた。浜から境内まで、露店が1キロに渡り並ぶ参道は、まるで一本の光の道だ。

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新九州遺産テーマ曲
「九州大陸紀行」  作曲・演奏 Viento
NEC Presents 新九州遺産 残したい。九州沖縄の原風景。

JNN九州沖縄7局共同企画「新九州遺産」は、かけがえのない郷土の遺産がテーマ。2005年から制作を続け、今年で「第7章」となりました。
各局が制作するコンテンツは、以下の通りです。参加各局が、全7作品をそれぞれ放送します。(放送日時は、RKBでのもの)

RKB毎日放送
都会に残る小さな村 (福岡市箱崎) 12月31日(火)午前7時~午前7時55分
長崎放送(NBC)
長崎の教会群 世界遺産登録を目指して (長崎県内) 1月5日(日)午前5時45分~午前6時40分
大分放送(OBS)
飯田高原 九州の屋根に抱かれて (大分県飯田高原) 12月30日(月)午前5時55分~午前6時50分
熊本放送(RKK)
隠れ里の人びと (熊本県人吉球磨) 1月2日(木)午前5時~午前5時55分
宮崎放送(MRT)
西南戦争 日向路の戦い(宮崎県内) 12月29日(日)午前5時45分~午前6時40分
南日本放送(MBC)
生命を育む島 奄美の森 (鹿児島県奄美) 1月4日(土)午前5時15分~午前6時10分
琉球放送(RBC)
琉球漆器 現代によみがえる技と心 (那覇市) 1月3日(金)午前5時~午前5時55分