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「無料塾」家庭環境・貧困による学習格差をなくしたい~先生にはボランティアの高校生

子どもの7人に1人が「貧困」と言われる中、家庭の事情で塾に通えない子供たちに教育と食事を提供する「無料塾」が北九州市に開校しました。ボランティアで講師を務めるのは、自らも家庭の事情で塾に通えなかった高校生たちです。
土曜日の夕方、子供達が上る階段の先にあるのは「学習塾」です。ただし、授業料は無料、さらにカレーやカップ麺なども提供するなど、学習と同時に食事の支援も行っています。北九州市八幡東区のNPO法人などが、今年4月にスタートさせました。

フードバンク北九州ライフアゲイン 原田昌樹さん「無料でできるような、お金をとらない、誰もが自由に、家でできなかったら来ればいい、そこに軽食も用意しているからお腹がすいたらそこで食べればいいよという風なところ」
土曜日の夕方、子供達が上る階段の先にあるのは「学習塾」です。ただし、授業料は無料、さらにカレーやカップ麺なども提供するなど、学習と同時に食事の支援も行っています。北九州市八幡東区のNPO法人などが、今年4月にスタートさせました。
フードバンク北九州ライフアゲイン 原田昌樹さん「無料でできるような、お金をとらない、誰もが自由に、家でできなかったら来ればいい、そこに軽食も用意しているからお腹がすいたらそこで食べればいいよという風なところ」
このグラフは、文科省が発表した公立学校に通う子供を対象に、学習塾や家庭教師にかかった平均費用を調査したものです。中学3年になると、その費用は年間36万円を超えています。
一人親世帯など経済的な事情で、塾に行きたくても行けない小・中学生を受け入れようと始まった無料塾ですが、講師の数の問題などから現在の定員は16人、キャンセル待ちの状態が続いています。
医師を目指す古藤さん。医学部合格に向けて受験勉強に励む傍ら、自分と同じように塾に行きたい子供達を支援することにやりがいを感じています。

古藤優菜さん「自分が考える時に、ちょっとしたコツとか時短の方法とか伝えるようにしています」
このグラフは、文科省が発表した公立学校に通う子供を対象に、学習塾や家庭教師にかかった平均費用を調査したものです。中学3年になると、その費用は年間36万円を超えています。
家庭環境による学習格差を無くそうと、こうした「無料塾」は全国的に増えてきてはいます。しかし、子供の7人に1人が「貧困」といわれる中、経済的な理由などから学習意欲を奪われてしまっている子どもは少なくありません。
高校3年の古藤優菜さん。「無料塾」でボランティア講師をしています。講師に応募したきっかけは、自身が父子家庭で育ち、塾に行けずに悔しい思いをしたことでした。
古藤優菜さん「受験前の中3と高3だけは塾に通わせてもらっているんですけれど、うちが3人兄弟で父子家庭なので、おばあちゃんに頼ってお金を出してもらっていて、塾に行っていない時は自分が解けない問題とかあると泣いてしまっていた。そんな子がいなくなればいいかなと思って始めました」
医師を目指す古藤さん。医学部合格に向けて受験勉強に励む傍ら、自分と同じように塾に行きたい子供達を支援することにやりがいを感じています。
古藤優菜さん「自分が考える時に、ちょっとしたコツとか時短の方法とか伝えるようにしています」
高校2年の櫻内さんも、自分が育ってきた環境からボランティア講師に手を挙げました。
櫻内愛大さん「小学5年生のときに、塾に通わせてほしいとお母さんに伝えたときに快くOKしてくれて、中学校とか高校にあがったときに塾が結構お金がかかることだと知って、自分みたいに4人兄弟で母子家庭なので塾に行きにくい子とかも、そういう子の力になりたいと思って」
家庭環境による学習格差を無くそうと、こうした「無料塾」は全国的に増えてきてはいます。しかし、子供の7人に1人が「貧困」といわれる中、経済的な理由などから学習意欲を奪われてしまっている子どもは少なくありません。
フードバンク北九州ライフアゲイン 原田昌樹さん「子供達の悩みとか、それが非行であったり不登校であったり、リストカットであったり、また家庭内暴力だったり、女の子であったら妊娠してしまったりとか・・・その親子とつながり、その子供を大切にあつかって、その子供達の自己肯定感が向上したり、信頼関係をつくって悩みを聞いてあげたりとか、予防的な関わりができたら」
格差社会が生み出す負の遺産を、これ以上、子供たちに押しつけることがないよう、いまこそ貧困の連鎖を断ち切らなければなりません。

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この記事を書いたひと

下濱美有

1996年大阪府生まれ。2019年入社。本社報道部で事件取材担当後2020年~北九州市で警察・司法・市政を担当。得意分野は芸術。