【図解】詐欺グループの金庫から1億円超ネコババした疑いも浮上~寝屋川市議「巻き込まれただけ」

大阪・寝屋川市の市議会議員を含む5人組による詐欺事件の捜査が進んでいる。グループは新型コロナ支援の融資を仲介すると偽って現金をだまし取った疑いが持たれているものの、市議は「巻き込まれただけ」と話しているという。一方でこの市議にはグループの金庫から1億円以上を盗んだ疑いまで浮上した。この「仲間割れ」は警察への相談につながり、自ら捜査のきっかけをつくることとなった。

被害は医療機関など全国で十数施設に上るとみられ、警察が全容解明を進めている。

 

約6000万円を詐取した疑いで逮捕状

RKB吉松真希「吉羽容疑者が出てきました。車に乗り込みます」

現職の寝屋川市議の女は2日午後、選挙区から遠く離れた福岡県の警察署から出てきた。警察が用意したフード付きの青い服を着ているため、目は隠れ表情は読み取れない。この後、検察庁に身柄を移され取り調べを受けた。

吉羽美華容疑者ら5人は、大阪・堺市にある福祉施設(A社)から融資を仲介する手数料として約6000万円をだまし取った疑いが持たれている。

警察の見立てはこうだ。まず、市議の吉羽容疑者を含む5人組は、A社に独立行政法人福祉医療機構(以下、WAM)のコロナ融資を受けさせ、業務委託料の名目で現金をだましとろうと考えた。2020年7月~12月には、実際にA社の代表の女性と面会。

この際、WAMと関係があるように装い「通常であれば融資を受けるのは難しいが、融資金の半額を自分たちに支払えば融資が実行されるよう取り計らう」などと持ちかけた。信じたA社はグループにコロナ融資の申し込みを依頼。WAMから1億2000万円の融資が実行されると、その半額を振り込ませてだまし取った・・・、というのが現時点で警察が描く事件の構図だ。

グループの役割は?市議「私は巻き込まれただけ」

逮捕された5人は知人などを介して知り合ったという。このうち吉羽容疑者は、面会などの際に「議員の名刺」を出すことでグループの信用力を上げる役割。渡部容疑者は「自分は審議官だ」などと名乗り、融資を決める権限があるように装っていたとみられている。

警察は、捜査に支障があるとして5人が容疑を認めているか否認しているかを明らかにしていない。しかし、捜査関係者によると吉羽容疑者は逮捕前の事情聴取に「私は巻き込まれただけで、だまし取ってはいない」と話していたという。

その一方で、吉羽容疑者はには新たな「疑い」も浮上している。5人の詐欺グループが得たとされる多額の現金のうち1億数千万円を盗んだとみられることが新たに分かった。捜査関係者によると、すでに窃盗の疑いで捜査が始まっている。

「金庫からネコババ」仲間割れがきっかけで捜査線に

現職市議の逮捕につながったこの事件。なぜ大阪の市議を福岡県警が逮捕したかは、捜査の端緒にさかのぼる。

2021年の2月にグループの金庫から現金約1億数千万円が盗まれる先出の「窃盗事件」が起きた。この後、グループは福岡県警に相談することになる。「すわ多額窃盗事件か!」と動き始めた福岡県警は、捜査の過程で大阪の市議会議員が関わっているのではないかと疑い出す。それが寝屋川市で市議を務める吉羽容疑者だった。

金庫の窃盗からコロナ支援融資をめぐる詐欺事件へ。事件の全体像が見えてきた頃合いで家宅捜索を実施、逮捕に踏み切った。

警察は、被害総額が十数億円に上るとみられる詐欺行為に吉羽容疑者が議員の立場を利用したとみて実態解明を進めている。

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