「抱っこできず顔を見れたのは一瞬」新型コロナで遠のく“安全なお産”

新型コロナの第7波で妊婦の感染も急増しています。感染者のベッドが足りず、予定日が極めて近い人しか入院できないケースや出産後も速やかに退院してもらうなどギリギリの状態が続いています。


◆すべての陽性妊婦が入院できるわけではない
防護服を着た医療スタッフのサポートを受けながら出産に臨むのは、新型コロナに感染した妊婦です。福岡市南区にある福岡赤十字病院は、先月1日からきのうまでに新型コロナに感染した妊婦22人の出産に対応しました。

福岡赤十字病院婦人科・西田眞産部長「最悪のケースはお産をする病院が見つからず自宅や救急車の中でという可能性はあるが、それを避けるため受けるようにしているが、かなりギリギリの状況」

新型コロナに感染した妊婦の数は、福岡県内で今月12日時点で400人以上に上り、これまでで最も多くなっています。第6波までは、妊娠37週以降の場合は基本的に入院して病院での管理でした。しかし第7波ではすべての人が入院するのは不可能です。

西田部長「現在は分べんが差し迫っている、予定日が非常に近いとか陣痛が起こったり破水したりしての入院が多い」


◆出産前日に“感染”が判明「抱っこ」できず
今月、初めての出産をした20代の女性です。出産予定日を1週間過ぎ、かかりつけの産科で陣痛を誘発して出産する予定でしたが、その前日に感染がわかりました。

感染中に出産した女性「分べん室は透明のカーテンで覆われて仕切られていました。せきが出るし鼻づまりもあって呼吸がしづらかったのですけどマスクは着用で。おなかの子は大丈夫なのかちゃんと出産できるのか不安な気持ちになりました」

なんとか受け入れ先が見つかり入院したものの感染のため陣痛の誘発ができず、出産予定日から2週間後の今月7日に自然分べんで女の子を出産しました。

感染中に出産した女性「抱っこと写真は一切できず、産まれたときはすぐに連れて行かれました。距離はあったが横を通ったときに一瞬だけ顔を見ることができました」

赤ちゃんを初めて抱くことができたのは隔離解除になった出産3日後でした。また、ベッドを空けるためできるだけ早く退院しなければならず、通常の出産後のように数日間入院して体を休めたり赤ちゃんのお世話を習ったりする時間もありません。


◆安全な「お産」難しく
西田部長「新型コロナ陽性者のベッドが足りなくなるので7月下旬からは産んだ方は当日か翌日にほとんどが別の病院に移っていただく。当院に来るのも初めてでここではお産だけして終わったらすぐに移っていただく。かなりストレスだと思うがベッドが足りないのでやむを得ない状況」

現在、新型コロナ陽性妊婦の出産を受け入れている福岡県内の病院は約10か所。出産に対応する医療機関を増やしてほしいとの要望に福岡県は応じる方針です。

西田部長「今本当にギリギリ、あるいはちょっとオーバーフローしている状況。新型コロナ陽性の妊婦が分べんできる施設やベッドがもう少し増えないと安全にお産をしていくことが難しくなるのではと思っています」

取材した赤十字病院の西田医師は、対応を迅速に行うためにも陽性がわかった場合は必ずかかりつけの産科医に連絡をしてほしいと話しています。

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