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福岡市の企業が開発した雨水を溜める地下タンク「ためとっと」。国連ハビタットに採用され、アジア、アフリカで役立てられています。コロナウイルスの世界的流行で、プロジェクトが止まっていましたが、3年ぶりに再開しました。
「大建」と九州大学が共同開発
今年6月、福岡空港から出発したのは福岡市の建設会社「大建」のメンバーです。
大建が九州大学と共同開発した雨水地下タンク「ためとっと」。掘削したところに遮水シートを貼り、岩石を砕いた小さな石を入れます。敷き詰めた石の上には、土を埋め戻して利用することができます。石の間にすむ微生物が汚れを食べて分解するので、水道水と変わらないくらいのきれいな水を貯めることができます。
大建 松尾憲親社長「まだ状況がいろいろ変わっているところもあるでしょうから、緊張しています。無事に着けるかが一番気がかりですね」
大建が九州大学と共同開発した雨水地下タンク「ためとっと」。掘削したところに遮水シートを貼り、岩石を砕いた小さな石を入れます。敷き詰めた石の上には、土を埋め戻して利用することができます。石の間にすむ微生物が汚れを食べて分解するので、水道水と変わらないくらいのきれいな水を貯めることができます。
国連ハビタットが採用
開発した集合住宅で活用していた、この雨水タンクのシステムが国連ハビタットに採用され、開発途上国のラオス、ベトナ、ケニアに設置されています。コロナ禍で国と国との行き来ができなくなる中、止まっていたプロジェクトがやっと再開されました。向かう先は、新たに二つ目を設置することになったケニアです。
国連ハビタット福岡本部 星野幸代本部長補佐官「前回の状況がどうなっているかとか、キャンプもコロナの感染がひどかった地域もあるようなので、その影響がどうなのか気になるところはありますけど、大変楽しみにしています」
国連ハビタットが採用
首都ナイロビからさらに飛行機で移動して着いたのは、難民キャンプのカクマです。前回設置した「ためとっと」は、現地の施工業者などの手によって完成し、使用できる状態が維持されていました。水質も給水車の水を上回る数値だということです。
一方、新たに設置する「ためとっと」は仕上げの作業を手伝うはずでしたが、工事が進んでおらず掘削からのスタートです。現地ではブルドーザーも珍しく、子供たちが見物に集まってきます。
一方、新たに設置する「ためとっと」は仕上げの作業を手伝うはずでしたが、工事が進んでおらず掘削からのスタートです。現地ではブルドーザーも珍しく、子供たちが見物に集まってきます。
大建 松尾憲親社長「今回、機材のトラブルとかいろんなトラブルが、発展途上国にはありがちなそういった状況の中で、少し予定が延びてしまって、僕らの滞在が3日延びて対応した」
現地の人達と一緒に
工夫しながらの作業
首都ナイロビからさらに飛行機で移動して着いたのは、難民キャンプのカクマです。前回設置した「ためとっと」は、現地の施工業者などの手によって完成し、使用できる状態が維持されていました。水質も給水車の水を上回る数値だということです。
一方、新たに設置する「ためとっと」は仕上げの作業を手伝うはずでしたが、工事が進んでおらず掘削からのスタートです。現地ではブルドーザーも珍しく、子供たちが見物に集まってきます。
一方、新たに設置する「ためとっと」は仕上げの作業を手伝うはずでしたが、工事が進んでおらず掘削からのスタートです。現地ではブルドーザーも珍しく、子供たちが見物に集まってきます。
大建 松尾憲親社長「今回、機材のトラブルとかいろんなトラブルが、発展途上国にはありがちなそういった状況の中で、少し予定が延びてしまって、僕らの滞在が3日延びて対応した」
現地の人達と一緒に
国連ハビタット福岡本部 星野幸代本部長補佐官「決して開発途上国向けとか海外向けに検討されていたわけではないんですけど、こうやってラオス、ベトナム、そしてケニアと展開していく中で、どれだけ水が渇望されているかっていうことですよね。あと、ローコストでできることが現地でどれだけありがたいかということを実感されて、『ためとっと』自体もオリジナルの糸島にあるものからどんどん進化をされて、難しくなっているのではなくシンプルになっている。そうすると、もっともっと使いやすくなるっていうこと。もっともっと、より条件が厳しい場所でも作れるということが有り難いと思います」
世界には、まだまだ水事情が悪い地域が多くあります。福岡の企業が開発した雨水タンク「ためとっと」は進化をしながら、そうした地域を潤しています。
「ためとっと」には、建物の屋根に降った雨水を雨樋に集めて流し込みます。雨樋からうまく流れるようにするのも大切なポイントです。やっと材料も届いて、作業が本格化しました。
大建 松尾憲親社長「時間的な感覚が、いいか悪いかは別にして緩やか。日本人の感覚からすると予定通りにいかないなというところは往々にしてあるなっていうのは感じますね」予定通りに進まないことはあるにしても、現地の人たちと一緒に作り上げるということに意味があると言います。
大建 松尾憲親社長「海外から来て作って帰りますとなると、彼らはなんの愛着もないんですね。実際そうやって国際協力で作った井戸がかれてしまって壊される。現地の方と一緒につくることで壊れれば、愛着があるので修繕しようという流れにつながるので、協働に意味がある」
工夫しながらの作業
今回、現地のスタッフには福岡から持ってきたそうめんを振る舞いました。恐る恐る口にします。ナイロビから調達した遮水シートをみんなで運び、掘削したところへ張っていく作業です。
大建 松尾憲親社長「パイプを利用してシートを下に下ろします」重いシートを工夫しながら動かしていきます。石を入れる作業から先は現地のスタッフに任せて、今回の作業を終えることになりました。
大建 松尾憲親社長「事業的に、私たちの会社のもうけにつながることはほとんどないんですが、事業は単なるもうけではなくて、こうやっていくことで技術者としての成長につながるとか、世界を知ることで使命感に燃えることにつながる可能性が十分あると思う。できる限り国際協力、微力なんですけど貢献していきたいと思います」
「ためとっと」が水問題を改善
国連ハビタット福岡本部 星野幸代本部長補佐官「決して開発途上国向けとか海外向けに検討されていたわけではないんですけど、こうやってラオス、ベトナム、そしてケニアと展開していく中で、どれだけ水が渇望されているかっていうことですよね。あと、ローコストでできることが現地でどれだけありがたいかということを実感されて、『ためとっと』自体もオリジナルの糸島にあるものからどんどん進化をされて、難しくなっているのではなくシンプルになっている。そうすると、もっともっと使いやすくなるっていうこと。もっともっと、より条件が厳しい場所でも作れるということが有り難いと思います」世界には、まだまだ水事情が悪い地域が多くあります。福岡の企業が開発した雨水タンク「ためとっと」は進化をしながら、そうした地域を潤しています。
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