「お金を出して“体調不良”買った」メディカルダイエットで「健康被害」相次ぐ

「メディカルダイエット」と称した広告が、ネット上には数多く存在します。糖尿病の治療薬を使って痩せるというものですが、健康被害を訴える人が相次いでいます。

糖尿病患者の治療薬で「食欲を減らす」

女性「トイレ行っては体重測って、ご飯食べては体重測って、水飲んでは体重測って、としていたので……」

福岡市東区に住む30代の女性です。2年ほど前、ダイエットのために選んだ手段は……。

女性「リベルサスの3ミリグラムです。1か月分で1万2000円です」

使っていたのは、「GLP-1 受容体作動薬」。本来は糖尿病患者の治療薬で、インスリンの分泌を促し血糖値を下げることで、食欲を抑える効果があります。

「モテたかったからです。(使うのは)効果があるか分からないエステに2~3万円もかけるよりは、これで一発で1万円ぐらいでやった方が確実だ、と思うからなんじゃないですかね。(Q.周りで使っている人は?)たくさんいました、はい」

飲むとすぐ体調に異変が……

こちらの女性は糖尿病ではありません。しかし、薬を簡単に購入することができました。ある美容クリニックの医師とたった一度オンラインで面談しただけで、処方されました。自宅に届いた薬を使い始めると、すぐに体に異変が出ました。

女性「私は、頭痛とめまいと……本当に具合が悪い時って目が開けられないじゃないですか、あの感じでした。2~3か月は具合悪かった、止めてから」

RKB吉松真希「SNSで、『GLP-1 ダイエット』と入れて検索してみると、2万1000件もの投稿が出てきました」

「メディカルダイエット」と称し、糖尿病の治療薬を宣伝する広告や、使った人の投稿が次から次に出てきました。一方で、健康被害を訴える声も……。

「ここ3日間ぐらい食べても食べなくても嘔吐続くし胃も気持ち悪いし最悪だ」「命の危険を感じるような頭痛と動悸(どうき)と目眩(めまい)に襲われました」

「健康を損なう」専門家が警鐘

日本糖尿病学会の専門医である、九州大学病院の小川医師です。

九州大学病院 小川佳宏医師(内分泌代謝・糖尿病内科)「医学的には正しくありませんし、倫理上も非常に問題があると思います。手軽に手に入るからと使って、やせようと、ダイエットしようと、不適切にやせすぎてしまうことがあると、かえって健康を損なう場合がありますし、長期的には筋肉・骨の量が減ったり、いろいろな問題が起こるので、どんな方に使うのがいいかをきちっと専門医に判断してもらうことが大事」

不適切な薬物の処方について、日本糖尿病学会も3年前に警鐘を鳴らしていました。

「糖尿病専門医に対する国民の信頼を毀損(きそん)するもので本学会として認められるものでないことを警告します。2型糖尿病を有さない日本人における安全性と有効性は確認されていません」

自由診療で規制は難しい

しかし、美容クリニックなどでの糖尿病の治療薬の処方は自由診療となっているため、規制が難しいといいます。

九州大学病院 小川佳宏医師「せっかくのいい薬が不適切な使い方をされることによって、副作用が前面に出たりとか、薬の使用が制限されたりすることがあると、本来この薬を使うべき方々にとっても不利益になりますので、そういうことは極力避けたい」

「健康あっての外見」

最後にもう一度、この薬をダイエット目的で使用した人の声です。

30代女性「確かにやせてるとかわいいしモテると思うんですけど、健康あっての外見だから……なんか“お金で体調不良買った”感じでしたね」

金曜ドラマ『100万回 言えばよかった』

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