「マスク着用」デパートなどで個人判断に 行政窓口は市民も職員も「着用」 対応さまざま
政府は13日から、マスクの着用を「個人の判断」に委ねることにしました。マスクをつける人、外す人……企業や施設の対応を取材しました。
「運転手はマスクを」継続するタクシー会社
RKB黒木秀弥「戸畑区にある第一交通産業の営業所です。中を見てみますと、ドライバーのみなさん全員マスクを着用しています」
北九州市に本社がある第一交通タクシー。乗客はマスクの着用が個人の判断となりますが、乗務員などすべての従業員は当面マスクの着用を継続します。
戸畑第一交通 大安和敬所長「世間一般的には人の出入りもだんだん戻ってきているが、やはりどこで誰が感染しているかはわからないので、継続していきたい」
「マスクする?しない?」人により分かれる判断
13日朝の福岡市天神では、これまでと変わらずマスク姿の通勤客が多く見られました。
「しばらく着けます。(感染が)気になりますね、まだ」「きょうからだとは知っていたけどなんとなく」「うっとうしいなと思ってたので、外しただけです快感です。もちろんTPOに合わせてかなあとは思うんですけど」
政府は、マスクの着用を13日から屋内・屋外問わず個人の判断に委ねるとしています。JRや西鉄、地下鉄など多くの公共交通機関も、乗客のマスク着用は「個人の判断」としていますが、乗務員や駅員などについては引き続きマスクの着用を継続しています。
「4月からは緩和」福岡市の公立学校
福岡市の小学校では13日もマスクをつけて授業が行われていました。
南片江小学校 入江久恵校長「卒業式だけは特別に教育的意義を考えてマスクを求めないとしているんですけど、あとは4月1日からの対応の変更になります」
小学校や中学校は4月の新学期からマスクの着用などを見直す方針で、それまでは今の感染対策を続けます。
南片江小学校 入江久恵校長「マスクを無理強いして嫌な気持ちにならないように、配慮していくつもりです」
オフィス内で一足早く“解禁”したIT企業
北九州市にオフィスがあるIT企業の「GMOインターネットグループ」です。社員へのアンケート結果をもとにパーティションも撤去し、オフィスではマスクの着用を「個人の判断」としました。
社員「外すことで息苦しさとか無くなるし、相手の表情もわかりやすくなったので、コミュニケーションがしやくなった」「家族が医療関係者で、もし病気になったら迷惑をかけるので、会社では感染しないようにマスクを」
現在は、社員の約半分がマスクを外して業務にあたっているということです。
行政窓口は職員も利用者も「全員マスク着用で」
福岡市や北九州市などは、職員も施設を利用する市民もすべて「個人の判断」に委ねることにしました。福岡市の中央区役所では、窓口業務のほぼすべての職員がマスクを着用していました。
福岡市中央区役所 五十川裕記総務課長「どうしても高齢者の方が多いので、配慮する形で比較的着用している人が多いと思います。4月くらいまでは繁忙期なので、付ける職員が多くなってくるかな」
人の集まる施設で進む緩和
百貨店やスーパーなどの商業施設、ボウリング場や映画館、それにスポーツジムなど多くの施設が、お客さんのマスクは「個人の判断」としています。福岡ソフトバンクホークスは13日から、来場者や従業員のマスク着用について「個人の判断」としました。これにより、試合中、マスクを外した「声出し応援」も「個人の判断」となり可能となります。
高齢者施設では慎重な対応
マスク着用のルールが緩和される一方で、政府は、医療機関や高齢者施設を訪問するときなど感染リスクが高い状況では、引き続きマスクの着用を推奨しています。福岡市城南区にある高齢者施設は、家族との面会や外出など行動制限を徐々に緩和していますが、マスクの着用など基本的な感染対策は引き続き徹底しています。
ウエストライフ南片江 坂井りつこ看護師「高齢の方は基礎疾患が多いし、もしかかってしまった時に重症化してしまうことを常に考えているので、『入所者と会う時は感染させない』をお互い守りながら」
マスク着用の「個人判断」について、福岡県の服部知事は――。
福岡県 服部誠太郎知事「やはり、変えてはいけないものがあります。それは守るということ。かけがえのない命と健康を守るため、適切な判断の上、ご配慮ご協力を」