SDGs "一石五鳥"!?アイガモ農法

シリーズでお伝えしている「SDGs私たちにできること」。今回は、「陸の豊かさも守ろう」です。福岡県桂川町の農家の男性が取り組む「アイガモ農法」。化学製品を使わず、自然の生態系を生かした、いわば「一石五鳥」の米作りを取材しました。

元気よく、水田に向かうアイガモのヒナたち。行われているのは、アイガモの畜産と稲作を組み合わせた「アイガモ農法」です。いわば、「田んぼからご飯とおかずが取れる」画期的なこの農法。福岡県桂川町の古野隆雄さんが「第一人者」といわれています。

古野さんは九州大学農学部を卒業後、完全無農薬の有機栽培をスタート。無農薬栽培の課題の一つである雑草に、頭を悩ませていたところ、アイガモに草を食べさせる除草法を知り、およそ30年前に「アイガモ農法」を始めました。

有機栽培では、除草剤や殺虫剤を使わないため、草取りや害虫駆除の手間がかかりますが、雑草や昆虫を食べるアイガモが、こうした作業を代行します。また、アイガモが動き回り、田んぼの泥をかき混ぜることで、稲に刺激を与え成長を促すほか、そのフンは肥料となります。こうして育ったアイガモは、最後は食用として出荷されるため、まさに「一石五鳥」です。古野さんは、自然に近い環境で育てることが、アイガモたちへの恩返しになると考えています。

近年、問題となっているのが、農薬の効かない害虫です。2013年には、西日本でウンカの被害が多発し、農作物の被害額は100億円を超えました。アイガモ農法は、この問題にも効果的です。

アイガモを狙う野犬やカラス対策も、進化しています。

柵には1秒ごとに電流が流れますが、「脅かすこと」が目的のため、生き物を危険にさらす高圧電流は使用していません。またカラス対策として、あえて見えにくい糸を張っています。

高価な農機具や農薬を使わずに、効率的な農作業ができるアイガモ農法は、アジアの国々で需要が高く、古野さんは技術を伝える活動も行っています。また、有機栽培やアイガモ農法を志す研修生を定期的に受け入れ、後進の育成にも力を入れています。

効率的な農業を実現した「アイガモ農法」。環境にもやさしいその手法は、「持続可能な社会の実現」に一役買っています。

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