「知ってほしい現実」を伝える

報道

黒木 秀弥 HIDEYA KUROKI

2018年入社

報道局 報道部

自ら行動して伝えることの
やりがいを実感して

熊本の大学に通っていた2016年に熊本地震を経験した私は、やがて留学したオーストラリアでその被災状況を知ってもらおうと、趣旨に賛同してくれた現地の方々と聖堂を借りてイベントを行いました。言葉の壁があったものの予想以上に多くの人が集まり、なかには涙を流す方も。それがきっかけで何かを伝えたり、表現したりできるマスコミを就職先として考えるようになりました。放送局を選んだのは、家族そろってクイズ番組やドラマを見ながらワイワイと食卓を囲んだ実家での楽しい光景が思い浮かび、自分もそんな団らんをつくり出したいと思ったからです。そして、西日本の民放で最も歴史が長い放送局でありながら「よんday(デー)」「チラシビジョン」といった新しい取り組みを行うなど、将来の可能性を強く感じたRKBを志望。制作より報道のほうが自分に向いていて、大学時代の経験も生かせるのではないかと思い直し、夢がかなったのです。

記者としてより、
まずはひとりの人として

警察担当の記者として日々さまざまな事件や事故を取材し、その内容を原稿にしたり、現場からリポートしたりしています。しかし駆け出しのころは、気落ちしている遺族や被災者にいきなりマイクを向けたりしていたので、なかなか話を聞かせてもらえませんでした。そう、人の心に土足で踏み込んでしまっていたのです。そうした失敗を重ねて、また先輩からのアドバイスもあって今は自分が欲しい情報を求める前に、相手から「この人なら話そうかな」と思ってもらえるよう「大変ですよね」「いかがですか」といった会話のあとに取材をお願いし、それから待機しているカメラマンを呼ぶようにしています。警察への取材も相手がいるからこそ成り立つもの。今以上に信頼関係を築き、東京でも取り上げてもらえるような特ダネを早くつかみたいです。

伝えるという仕事は、
人の心を代弁することでもある

最も印象に残っている仕事は、場面緘黙(かんもく)症の取材です。特定の場所や人でないと話せなくなってしまうその症状で悩んでいる方が福岡にいると知り、かつて吃音(きつおん)症で苦しんでいた友達と重なったこともあって取材を申し込みました。するとお母さんから「まずは娘と心を通わせてほしい」と言われ、本人と連絡先を交換してチャットでやりとりしたり、カメラなしで会いに行ったりして交流を深め、その間に彼女はスマホで自撮りした自己紹介の動画を送ったりしてくれました。そうした末に取材が実現し、『今日感ニュース』内のリポートとして放送することができたのです。お互いに歩み寄ることからはじめて、取材・放送までこぎつけ、その反響の大きさはもちろん、親子ともども感謝してくださったことが非常にうれしかったです。また、人が知りたい情報だけでなく、知ってほしい現実を伝えること、人知れず悩んだり苦しんだりしている方々の気持ちを代弁することも報道の大事な使命だと実感しました。
これからも意義ある取材を続け、福岡だけでなく全国や海外にも広がっていくような質の高い情報を伝えていきます。

休日の過ごし方

朝起きてランニングと筋トレをこなし、温泉やサウナで汗と疲れを流して、1日の締めくくりにこだわりのレモンサワーを飲み干す。そして「ああ、今日も充実していたなあ」と実感する。休日はそんなふうに高校・大学時代の友達と過ごすことが多いですね。みんなとキャンプで火を囲みながら、本音で語り合う時間も最高です。

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