担当ディレクターの取材後記
2月16日放送
潮風のbotao 天草ボタン
天草ボタンの制作をはじめて、6年が過ぎた井上ゆみさん。天草陶石を触らない日はないと言いきります。特に「絵付け」をしているときの集中力は、すさまじいものがあります。もちろん、話しかけることもできませんし、細かい作業のため、撮影スタッフは動けません。気が付くと、一緒に呼吸を止めて撮影していたこともありました。そんな張り詰めた雰囲気の中から生み出される井上さんのボタンは本当に素晴らしいもので、取材の度にどんなデザインができていくのか、楽しみでなりませんでした。 井上さんは、天草の代表的な景色や文化を描いていますが、普段の暮らしで感じる曇り空や、散歩道の木漏れ日などからも刺激を受けています。そして、それを小さなボタンに描きます。白磁でボタンを作り、かつデザインを施すことに師匠はいません。親切にしてくれている窯元などの人たちに相談しながらも、その方法は自分だけで導き出しています。 東京から帰郷して、こんな人生に変わるとは思いませんでしたと、井上さんは笑って話します。 私が間近で感じたのは、大げさでなく、本当に人生をかけてボタンを作る井上さんの姿でした。
担当:RKK熊本放送 藤本聖子