夏こそどんぶり!③ 「タコのさっぱりスパイシー丼」
今回の食材は旬のマダコ。「タコ丼」といえば、和風を想像しがちだが、それを覆す一味違ったギリシャ仕込みの洋風にアレンジする。市販のゆでダコで、いかに柔らかく食感よく仕上げるか、また、いかに夏向けのさっぱり風味に仕上げるかにご注目。
まず硬さは、筋繊維を壊しておくことがコツ。麺棒などでしっかり叩き、フォークで刺して、味を染み込みやすく!タコは中途半端に茹でると硬くなるが、ある時間を超えるといきなり柔らかくなるという。30〜40分、ゆっくり筋繊維をほぐすように茹でることもポイントだ。その間は野菜を調理、じっくり炒めて甘みを引き出そう。カレー粉、唐辛子でスパイシーな辛味、ホールトマトで豊かな酸味。さらに、ここで茹で汁をお玉一杯。タコの旨みがたっぷりの出汁は、味にコクと深みをプラス!ここは旨みのポイントだ。だがそれだけではない。今回の味のもう1つの決め手はレモン。スライスして砂糖浸けしたレモンを最後に投入。これが、スパイシーな旨みの後に、さわやかな風味をぐっと持って来る。柔らかいのにプリプリしたタコの食感。叩いている分、歯応えの違いが何とも味わい深い。タコ丼イコールタコ飯、と思いきや想像を裏切る美味しさ!ジェームスアナも大きな目玉が飛び出そうなくらい大絶賛した「タコのさっぱりスパイシー丼」、ぜひお試しを。
また今回は、「関門海峡タコ」の漁にコウさんが同行取材。九州と本州を分かつ海峡の豊かな漁場と、激しい潮の流れの中で足を踏ん張って生息する関門ダコ。昔ながらの蛸壺漁から現れたタコは、吸盤の吸い付きもハンパなく、まるでアスリートのよう!だが、せっかく獲れても型の小さいものは惜しげも無く海に放流。これもブランドの質の維持と資源保護のためという。陸に上がって産地での料理をいただくと、これまたびっくり!歯ごたえと食感、その旨みはまさに高級ブランドダコならでは!…こちらもお楽しみに。
レシピ
1. タコは麺棒などで叩く。鍋にお湯を沸かし酒と塩を加え、叩いたタコを入れて一煮立ちさせる。その後、30~40分ほどとろ火でゆでる。
2. パプリカは細切り。玉ねぎは、薄切りにする。
3. 鍋にオリーブオイル大さじ2を熱し、切ったパプリカと玉ねぎをじっくりと焦がさないように炒める。しんなりしたらニンニク、ローリエ、Aを加えてさっと混ぜ、日本酒を加える。さらに、タコの茹で汁もおたま1杯加える。
4. レモンは半分を輪切りにして、砂糖を和えてしばらく置いておく。
5. 1の茹で上がったタコは、ぶつ切りにする。それを3の鍋に入れホールトマトを加えてなじませる。塩とタコのゆで汁で味を調え5分ほど煮る。
6. 5分ほど煮たら、砂糖を和えたレモンスライスを散らしてさっと煮る。
7. 米2合にターメリック小さじ1で炊いたターメリックライスを皿に盛り、6とその煮汁、オリーブオイルをまわしかける。仕上げにパセリのみじん切り、レモン(残した半分)の搾り汁を散らす。