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SDGs 北九州市のSDGs商店街

シリーズでお伝えしています「SDGs私たちにできること」。今回は「住み続けられるまちづくりを」です。日本最古のアーケード街、北九州市小倉北区の魚町銀天街。それぞれの店が協力して、さまざまな取り組みを進める、その名も「SDGs商店街」です。

北九州市小倉北区の魚町銀天街。およそ70年前にオープンした、日本で初めてのアーケード街で、南北に400メートル、およそ160の商店が軒を連ねています。今、一体となって取り組んでいるのが、国連が定めた持続可能な開発目標=SDGsです。

SDGs商店街の仕掛け人、森川妙さんです。きっかけは、魚町銀天街にかかる「エコルーフ」が、市民に知られていないことでした。

エコルーフの太陽光パネルで発電された電力は、アーケードの街灯などに使われています。

「元々は一つの大きな商業施設だった場所が、今は小さな店が立ち並ぶ場所へと、リノベーションされています」

老朽化して取り壊す予定だったビルを、改修して作られたビッコロ三番街には、10店ほどが並んでいます。地元で、その日の朝取れたばかりの野菜を販売する青果店です。地産地消を掲げていて、流通距離を短くすることで、二酸化炭素の排出量を抑えるほか、売れ残りが出ないよう、閉店が近づくと値引きして、完売を目指しています。

一方、こちらは「フードロス0」を掲げる輸入食品店です。

店内では、パッケージの破損や賞味期限が近いことなどを理由に、値引きされた海外の高級食品が販売されています。食品添加物や化学調味料を使わない自然食の店では、ベジタリアン向けの弁当が人気です。

お店の人が講師となり、専門知識を教える無料講座「うおゼミ」も、年に2回開かれています。呉服店を営む米谷さんが教えるのは、香をたいて香りを楽しむ、日本の古典芸道「香道」です。現在は新型コロナウイルスの影響で、オンラインで開催しています。

商店街が一体となった取り組みが評価され、魚町銀天街は去年、SDGs達成に向けた優れた取り組みを表彰する「ジャパンSDGsアワード」で、最高賞の内閣総理大臣賞に選ばれました。銀天街の1日の通行量は、10年前に比べ5000人ほど増加し、1日およそ1万5600人が行き交います。一方で、SDGsへの意識は浸透しているとはいえないようです。

長年、環境問題に取り組んできた北九州市は、「SDGs先進地域」として高く評価されています。しかし、去年、北九州市立大学が市内のおよそ1200人を対象に実施した調査では、「SDGsという言葉を聞いたことがある人」は、わずか17パーセントにとどまりました。森川さんは「全国的にも珍しい商店街の取り組みが、SDGsを知ってもらうきっかけになれば」と話します。

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