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父は戦犯に問われた

2024年第5回 
制作:RKB毎日放送
ディレクター:大村 由紀子

 

79年前、日本が戦争に負けたことで、「戦争犯罪人」として裁かれた人たちがいる。A級戦犯は良く知られているが、捕虜虐待などで現場の兵士や軍属、民間人もが罪に問われたBC級戦犯を知る人は少ない。


米軍がBC級戦犯を裁いた横浜裁判で、世間の注目をいちばん集めたのは、「九大生体解剖事件」だった。福岡市に置かれた西部軍に集められていた米軍爆撃機の搭乗員8人が九州帝国大学で生体実験された事件だが、この中で搭乗員の肝臓を食べたとして、被告となった5人の医師がいた。

 

そのうちの一人が眞武七郎さんだ。1948年の裁判当時40歳。肝臓を食べたというのは、米軍調査官によるでっちあげで、裁判で5人は無罪となり、釈放された。


その眞武さんがスガモプリズンの獄中で描き、アメリカ人の看守に託していた絵が75年ぶりに遺族のもとへ届けられた。受け取ったのは、眞武さんの三男、清志さんと、長女ナナさん。父が亡くなって50年以上経って、戻ってきた父の絵は、子供たちには語らなかった父の苛酷な経験を物語る。


このほか、スガモプリズンから妻子のもとへ帰ってこなかった元将校の父の話など、子供の視点から、戦犯事件と当時の日本を振り返る。

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