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上人橋通りのビル奥に潜む間借りワインバーで夜ごとの美酒を

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上人橋通りにある博多焼鳥の名店「焼とりの八兵衛」の右手に、ビルの奧へと続く狭い通路があります。この先には、以前八兵衛グループのとんかつ酒場「つかんと」がありましたが、現在は休業中。そのスペースを間借りして、3月からひっそりと営業しているワインバーが「Losange」です。
少し前まで薬院の「バー秋吉」を間借りして夕方から20時までの営業でしたが、現在は夜8時から深夜2時までの深い時間帯に変わり、早くも噂を聞きつけたワイン好きが夜ごとに集まっています。

Losange_エントランス

路地のようなエントランスを通って扉を開けると内装は以前の店舗そのままで、オープンキッチン前のカウンターとテーブルが残されています。壁面にプロジェクターで投影される白黒写真のスライドが流れる中、一人カウンターに立つのは、去年までベイサイドプレイスのフレンチレストラン「Sola」でソムリエを務めていた茂木恵介さんです。

Losange_店内

茂木さんが本格的にワインと向き合うようになったのは大学院進学で渡仏することになってから。大学院で映画と建築に関する博士論文を準備する傍らパリのレストランでアルバイトすることになり、その時出会ったのが「Sola」のオーナーシェフ・吉武広樹さんでした。「同世代が海外で活躍しているのを間近で見られたのは刺激的でした」と茂木さん。開店わずか1年でミシュラン一つ星を獲った店でサービススタッフとして働くうちに徐々にワインに魅せられていきました。
さらに数軒のレストランのオープンやリニューアルに携わる中で多くのシェフやソムリエ、そしてワイン生産者やワイン愛好家との交流をもつことで料理やワインに対する造詣をより深めていきます。その後、吉武さんと日本で「Sola」を始めるために2018年に帰国、現在に至っています。

Losange_ワイン1

グラスワイン(1,000円~)は、泡、白、赤、オレンジなど、常時10種類以上のラインナップ。「産地や自然派、クラシックなどにはこだわらず、なるべく季節感のあるものをオススメしています」と茂木さん。そう言いながら最初に注いでくれたのは、ドイツのスパークリング「グロウ・グロウ/ピンク・フィジー」。美しいロゼの微発泡タイプで、軽やかな飲み口は初夏の宵の口にぴったりの一杯でした。

Losange_ワイン2

2杯目は、フランス・ローヌ地方で有機栽培されたルーサンヌなどの品種をブレンドした白ワイン「ドメーヌ・ド・ラ・コンブ・オー・マ/ブーキエ」。フルーティな果実味と程よい酸味で、スイスイと飲めちゃうタイプですね。

Losange_ワイン3

そして、最近茂木さんが注目しているというのが、温泉地として知られる南ドイツ・バーデン地方の赤ワイン「ベルンハルト・フーバー/マルターティンガー シュペート・ブルグンダー」。"シュペート・ブルグンダー"とは、ブドウ品種"ピノ・ノワール"のドイツ語で、世界的なブルゴーニュワインの高騰を受けて、にわかに人気を集めています。キレのある酸味とタンニンのバランスもよく、「いいもの見っけ!」という感じです。

Losange_ワイン集合

現在、料理の提供はありませんが、本格的な厨房設備を備えたスペースだけに、「知り合いのシェフとコラボしたイベントも企画したいですね」とのこと。本場パリのレストランで経験を積んだ茂木さんが、料理に合わせてどんなペアリングを提案してくれるのか楽しみです。

店舗名:Losange
ジャンル:ワインダイニング・ワインバー
住所:福岡市中央区警固1-4-27KEGOエイトビル1F
電話番号:なし
営業時間:20:00~翌2:00
定休日:日曜
席数:カウンター8席
個室:なし
メニュー:チャージ300円、グラスワイン1,000円~
URL:https://www.instagram.com/losange_bar_a_vin/

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この記事を書いたひと

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