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“異次元の少子化対策”は「増えてラッキー」「根本解決にならない」、結婚支援が必要?

政府が掲げる「異次元の少子化対策」、その具体策を岸田総理が13日、発表しました。若い世代や子育て中の親たちは好意的な意見とともに「じゃぁぜひ産もうとはならない」などと抜本的な解決を求める声もあがっています。子育て情報誌の社長は「そもそも結婚したがらない、できない人たちが増えている」と結婚支援の必要性を挙げます。

「増えてラッキー」「根本解決にならない」

岸田総理が「少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンス」と位置づける「こども未来戦略方針」。児童手当は来年10月から所得制限を撤廃。対象も高校生まで拡大します。給付額は0歳から2歳までは月額1万5千円、3歳から高校生までは月額1万円で、第3子以降については年齢にかかわらず月額3万円を支給します。出産費用も2026年度をめどに保険適用の対象とします。

 

市民「3人目なんですけど、1万500円増えるからラッキーという感じです」
市民「どんどんしてほしいと思います。子供が4人いて学費やそれぞれにお金がかかるので」
市民「ラッキーと思う部分もあるけど、今まで子供がいない人が「じゃぁぜひ産もう」という感じにはならないと思います」
市民「独身です(Q将来的に子供を産みたい?)あんまり思わないですね、お金がかかる印象があります。あまり根本的な解決にはならないと思います」
市民「(子供がほしい?)個人的にはそう考えています。賃金の問題はすごく影響していると思うので、解決したらいいなと思います」

「誰でも通園」現場の保育士から人数改善を求める声

保護者が働いているかどうかや所得に関係なく保育施設を利用できる「こども誰でも通園制度」。生後3か月以上の未就園児を1回1000円で週に2回まで預けられる制度です。2024年度からの本格実施を前に福岡市の3つの保育園で今年8月からモデル事業がスタートします。

 

リトルワールドあゆみ保育園・本松ちなみ園長「2日前に申し込みが始まって13日時点で47件です。『ぜひ預けたい』と言われる方もいて、こんなに反響があるとは思わなかったです」

 

ただ、受け入れる保育園からは不安の声も上がり、政府は保育士の配置基準を見直す考えを示しています。

 

保育士の岩永美佐さん「ニーズがたくさんあるのはわかりますが、子供たちを温かく見守っていきたいので、保育士の配置人数を変えてほしいです。今も処遇改善の手当てを市や国から受け取っていますが、もうちょっと上げていただけたら私たちも頑張れる。保育士を離れてしまう友達がたくさんいるので、その人たちが戻って来られるように待遇を手厚くしていただけたら」

結婚したがらない、できない人たちが増えている

未婚率の上昇と出生率低下の大きな要因は若い世代の所得の問題です。かつて200万人を超えていた日本の出生数は去年、統計が始まって以来、初めて80万人を下回りました。子育て情報誌などを発行するフラウの濱砂圭子社長は、結婚に対する支援が足りていないと指摘します。

 

フラウ・濱砂圭子社長「そもそも結婚したがらない、できない人たちが増えている。結婚を後押しするような地域ぐるみ企業の応援なんかも考えなければと思いますが、そこが抜けている気がします」

 

年に3兆円台半ばの予算が見込まれる「異次元の少子化対策」人口減少に歯止めをかけることはできるのでしょうか?

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この記事を書いたひと

三浦良介

1999年入社、テレビ営業部、大阪支社勤務を経て2011年から情報番組のディレクターを務める。2016年から報道記者として政治・経済を中心に取材奮闘中。