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年20万件に上る“鉄道落とし物”LINE検索で保管駅や警察署を案内へ

約20万件。去年1年間にJR九州管内の駅や列車で出た“落とし物”の数です。こうした大量の落とし物を少しでも多く持ち主に返そうと、LINEで検索できる新たなサービスが始まりました。

京王電鉄では落とし物の返却率が3倍に


今月1日から始まったJR九州の新サービス「落とし物クラウドfind」。問い合わせ用のLINEアカウントを友だち登録すると、落とし物をした日時や場所、色や形などを登録できます。登録された情報と一致するものがあれば保管されている駅や警察署などを案内する仕組みです。

JR九州鉄道事業本部営業部企画課・坪山正史さん「今までは電話か駅にお越しいただいいました。係員も問い合わせには数分かかりますし、お電話もなかなかつながらないこともありました。findチャットを導入することで気軽にお問合せいただけると思います」

システムを開発したのは東京のスタートアップ企業で、今年2月に導入した東京の京王電鉄では、落とし物の返却率が3倍になったということです。

落とし物1位は「傘」、2位「現金」、3位「上着や靴」


JR九州の管内では1日500件ほどの落とし物があります。年間で約20万件にのぼるそうですが、どんな落とし物が多いのでしょうか?

JR九州・坪山さん「梅雨の時期は傘が多いです。最近はこういったワイヤレスイヤホンも多いです」

忘れ物は傘が最も多く続いて現金、その次が上着や靴などの衣類です。

定期を探しにきた女性「定期の落とし物ってあります?」
職員「お調べいたします。種類は?」
女性「スゴカです」

運用が始まった今月1日、博多駅の窓口にはサービスのことを知らない人もいました。

定期を探しにきた女性「便利だと思います。駅まで来なくていいんで」

忘れ物対応を“効率化”しマンパワーを顧客サービスへ振り分け


電車の中で切符をなくした男性は、さっそくLINEで落とし物を登録してみました。

実際に登録してみた男性「これで入力終わりました(Q窓口と比べてどう?)まあどっちも普通、こっちのほうが楽なんじゃないですかね」
JR九州・坪山さん「スムーズにできれば忘れ物の業務はもっと効率化できると思っています。その分を切符の販売や改札などのお客様の案内につなげていければと思います」

JR九州によりますと、サービス開始から3日間でLINEによる落とし物検索が約1000件ありました。そのうち2割が実際に駅などに保管されているものと一致したということです。JR九州は業務の負担が減ることで、落とし物以外のサービス向上にもつなげたい考えです。

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この記事を書いたひと

町田有平

2010年RKB入社。報道記者、情報番組ディレクター、ラジオプロデューサーなどを担当。2女の父で趣味はキャンプと筋トレ。