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視力は矯正しても0.1未満…パリ大会を目指す柔道・瀬戸勇次郎選手が「階級変更」を迫られ大幅増量

今年はオリンピックイヤーです。パリ大会出場が有力視されている選手を紹介します。修猷館高校(福岡市)出身で東京パラリンピック視覚障害者柔道銅メダリストの瀬戸勇次郎選手。階級変更を乗り越えパリ大会で金メダルを目指します。

4歳で始めた柔道、視力は矯正しても0.1未満

 

福岡県糸島市出身、筑波大学大学院1年の瀬戸勇次郎選手。パラリンピックパリ大会視覚障害者柔道73キロ級の最有力候補です。新年、初稽古のため母校の修猷館高校を訪れ、懐かしの道場で後輩達と一緒に汗を流しました。

 

 

瀬戸選手「やっぱりリラックスできる場所だと思っています。辛い思いでばっかりですけど。世界で活躍する先輩の姿に後輩達は。この道場からもパラリンピックでメダル取れるような選手になっているので目標というか憧れ。世界で活躍する選手と普段の練習で組めて光栄です。修猷の名を世界まで届けて欲しいという気持ちです」

 

 

瀬戸選手は先天性の色覚異常による弱視で、視力は矯正しても0.1未満です。柔道を始めたのは、4歳の時。弱視というハンディキャップを乗り越え健常者と共に練習に励みました。東京パラリンピックで銅メダルを獲得した2021年。当時は、福岡教育大学の4年生で大会後は、卒業論文の執筆に追われていました―。

迫られた「階級変更」2年間で10キロ増量した

 

韓星民准教授「締め切りに少々遅れるのであればなんとかするので頑張ってくださいと言ったのですが、本人は甘えるわけにはいかないと」


瀬戸選手「柔道はやっていましたが、その分サボっていたので卒論は。それで猶予をもらうのは違うなと思いました」


韓星民准教授「真面目すぎますね(笑)」

実はこの当時、瀬戸選手には卒論の締め切り以上に気を揉むことがありました。視覚障害者柔道の階級変更です。東京大会で出場した66キロ級が無くなり、60キロ級か73キロ級に変更しなければなりませんでした。

 

 

瀬戸選手「少なくとも来年は73キロ級に出なければならない、ひとまず言われた階級でいくしかないですね」

73キロ級を選んだ瀬戸選手、筋力トレーニングととにかく食べることに取り組み、2年間で体重を10キロ以上増やしました。7キロという大幅な階級変更。直後は結果の出ない状態が続きました。ようやく努力が実を結んだのが去年12月に開催された国際大会。パリにつながるこの大会で、世界の強豪を次々と倒し、見事優勝を果たしました。

 

 

瀬戸選手「今まで73キロ級に上げて以降は中々、優勝というところに納得する形での勝ちというのは多くなかったので。パリに向けて1年切った中で、強豪が沢山出てくる大会で、勝てたというのは、凄く自信になるかなとは思います」

パラリンピックパリ大会まで約8か月、階級の変更を乗り越え、心身ともに一回りも二回りも大きくなった柔道家が、悲願の金メダル獲得に挑みます。
 

 

瀬戸選手「2024年は勝負の年だと思っています。東京終わってから3年近く。パリでは金メダルをとるということで、ずっとやっていましたし、今の段階では十分、手が届く位置にいるとも思っているので、しっかり準備をしていきたいと思っています」

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