第679回番組審議委員会を9月19日(火)、RKB毎日放送本社で開催した。
<審議委員>
出席委員 9名(書面1名)
石川たかね(書面)、上妻正典、坂口佳代、滝本英明、谷口亮、橋ノ本将朗、浜田真知子、福島規子、牧山愛美
<放送事業者>
佐藤社長以下 計11名
<議題>
番組審議 テレビ番組
「魚鱗癬と生きる~遼くんが歩んだ28年~」
放送 9月4日(月)午前1時20分から
制作統括 大村由紀子(テレビ制作部長シニアエキスパート)
カメラマン 島田 武 (RKBCINC制作本部部長)
<内 容>
遺伝子の異常で全身の皮膚が鱗のように硬くなり、剥がれ落ちていく国指定難病「魚鱗癬(ぎょりんせん)」、日本全国で約200人の患者がいると推計されているが、現段階では根治療法はない。人にうつることはないが、見た目の印象もあり、患者と家族は偏見や差別にさらされてきた。北九州市に住む梅本遼さんの母、千鶴さんは2002年に「魚鱗癬の会」を立ち上げ、病気への理解や医療費の助成、薬の開発を訴える活動を続け、2015年、難病指定に至った。
遼さんは、進学や就職などの節目で大きな壁にぶつかりながらも、家族や周囲の支えを受けながらひとつひとつ乗り越えて道を拓いてきた。RKB報道部が23年にわたって取材を続けてきた難病と共に歩んだ青年の成長の記録。
議事の概要
委員からは
・「魚鱗癬」という病気のことをはじめて知った。知るきっかけになってよかった。
・心に響くコメントが多かった。本音が語られていた。
・23年間撮り続けてきた積み重ねが画面からにじみ出ていた。
・難病を取り上げた番組なのに、明るくて温かさを感じるような番組になっていた。
・障害や病気に対する偏見や差別を減らすという番組の意図に沿った、大変有効な番組だった。
・生きることに悩んでいる人に対して前向きな応援メッセージとなるような番組と感じた。
・お母さんの思いがストレートに伝わってきて応援したくなった。
と、評価する意見があった。
一方で、
・番組の内容が目まぐるしく、一本の筋になかなかならなかった。
・魚鱗癬には、症状の重さや違いがどのくらいあるのかわからなかった。
・遼さんと結婚された奥さんのことをもう少し知りたかった。
・自立し結婚している28歳の男性を「くん」づけしていて、「対等に社会として受け入れていない」ように思えた。
・23年間も取材を続けることができた理由は何だろうか?
という意見があった。
制作者は
・魚鱗癬という病気を知ってもらうことが一番大事だと考えた。
・魚鱗癬の症状は3つあるが、今回は、遼さんに絞った。
・遼さんと結婚された奥さんは、症状について「全く気にならない」ということだった。
・身近に感じて、より親しいところ、近くで見ていただきたいという趣旨で「くん」づけで通した。
・取材に行く新人記者たちが、非常に学ばせてもらうことが多い。
・毎年取材に行くものと決めて、報道部内で共有し続けてきた。
と、説明した。