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「認知症の人でも楽しめる」歌劇ショー開催 当事者から話聞き“優しいレビュー”を工夫

敬老の日を前に、福岡市と劇団が認知症の人を招待してのショーを開催しました。事前に当事者の意見も聞き工夫を凝らした演出で、認知症の人も大いに楽しんだようです。

「1か月前から楽しみに」


9月16日、福岡市の劇場で「認知症の人にもやさしいレビューショー」が開催され、認知症の人と介助者など計220人が招待されました。

来場者「髪をカットしてきました。楽しみにしていました」
介助者「1か月前から楽しみにしていて、きょうも朝からうれしそうでした」
 

「登場人物が多く複雑なストーリー」は避けて


ショーを企画した福岡市と、劇団「歌劇ザ・レビュー」は、認知症の人にも楽しんでもらえるように工夫しました。認知症の人の意見をショーに反映させようと、8月23日に認知症の当事者と劇団のメンバーとの交流会が開かれました。

劇団の運営会社「ワイズ・ヒューマン」坂口優子社長「通常の公演は、休憩を挟んで90分あるんですが、30分のレビューショーのみ。長すぎず短すぎず」

認知症の人は、「登場人物が多くストーリーが複雑な歌劇では、理解が追いつかない可能性がある」との意見をもとに、通常90分のショーを30分に短縮。また、ショーが終わった後、出演者と一緒に振り付けを楽しむ時間を設けました。

福岡市高齢社会部 笠井浩一認知症支援課長「認知症の方々と対話をして、みんなで楽しめるものをつくっていただいたのは、本当にすごいと思います。
 

本番当日は受付業務を手伝う観劇者も


RKB三浦良介「いよいよショーがはじまります。入口ではきょうのショーを観劇する人が受付を手伝っています」

ショーを観に来た人で、希望する人には受付やグッズ販売などの運営も手伝ってもらいました。

「ワイズ・ヒューマン」坂口優子社長「当事者の方が社会で活躍する場を一緒に作っていきたい」

介護福祉を学ぶ学生も、会場の誘導係などで参加しています。

福岡医療秘書福祉専門学校2年 村田珠洸さん(19)「こぶし1個分の距離で声をかけたり、普段しゃべっている声より少し大きめに話したりすることを意識しています」
 

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この記事を書いたひと

三浦良介

1999年入社、テレビ営業部、大阪支社勤務を経て2011年から情報番組のディレクターを務める。2016年から報道記者として政治・経済を中心に取材奮闘中。