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「助かる!」“病児保育”無償化 でも利用増加で「予約取れない」

急な発熱などの体調不良で学校や保育園などに行けない子供を、一時的に預かる「病児保育」について、福岡県はこれまで1人1日あたり2000円だった利用料を4月から無償にしました。利用する親から喜びの声が聞かれる一方で「無償化」による課題も浮かび上がっています。

「仕事を持つ親に強い味方」

福岡市中央区にある「大名よねくら小児科クリニック」に朝8時すぎ、小さな子を連れた母親が診察にきました。

看護師「食欲はいつもと比べてどうですか?」
「ちょっとつまんでるくらいですね、朝ご飯」
看護師「青い椅子に座りましょう」
医師「おはよう。お腹がグルグル鳴っているので、夏風邪に特徴的な症状かな」
子供「バイバイ」

診察を終えた子が向かうのは、クリニックに併設された保育室。急な発熱や体調不良の子を一時的に預かる「病児保育」です。

母親「お菓子とかいろいろ、食べられるものを食べさせてください」
保育士「ママに『いってらっしゃい』できる?」

学校や保育園に行けない子供を預かる「病児保育」は、仕事を持つ親にとって強い味方となっています。

急な発熱…「一番頼れる存在」病児保育

保育士「大丈夫だよ、お友達が待ってるよ、ほら、ちっちゃなお友達が待ってるよ」

「病児保育」では、食事や遊びなど基本的に通常の保育園と同じように過ごしますが、必要に応じて医師の診察、薬の投与、検温などが行われます。

「こんにちは~」

現在、1歳と6歳の子を育てている共働きの女性。実家も遠方のため、多い時で月に1回程度「病児保育」を利用している、といいます。

女性「いつ2人そろってお熱出すかとヒヤヒヤしていますし、急なお熱があった時に一番頼れる存在です」

「気持ちの負担が軽くなった」

福岡県は、これまでひとり1日あたり2000円だった「病児保育」の利用料を2023年4月から無償にしました(給食費除く)。

女性「お兄ちゃんの時は、ずっと熱が下がらなくて2週間くらい病児保育に預けていた時もあったので、大変な上に経済的な負担もかかって、『泣きっ面に蜂』みたいな苦しい状況だったんですけど、今は経済的負担がないとなると、ちょっとでも気持ちの負担が軽くなるかなと思います」

無料化で利用増加「予約が取れなくて…」

子供を育てる親にとっては大きな支援となりましたが、「無償化」による課題も浮上しています。

女性「朝、病児保育の前に並んで順番待ちするか、朝の8時になった瞬間に電話して依頼するか。8時ジャストに電話しないとずっと話し中で、つながるのは8時半みたいになって、やっとつながったと思ったら『予約でいっぱいになりました』と言われることがあって、けっこう辛いです」

1歳の子を持つ記者も実際に予約してみると…

RKB大北瑞季「現在、午後3時1分です、前日の午後3時に予約の受付がスタートする施設を予約してみます。……もうすでにキャンセル待ちになってしまいました」

「大名よねくら小児科クリニック」に併設されている病児保育施設でも、4月以降は予約が倍増。子供を預けることができない親が出てきているといいます。

大名よねくら小児科クリニック 米倉順孝院長「2~3月は1日平均の希望数が12件。現在では1日平均で予約希望が20件、もう3倍くらいの人をお断りしているという状況です」

「病児保育」の利用者は、県内の半分ほどの自治体で増加しています。利用者の増加に伴い、体調を崩した子供を預けにくくなっている現状について、福岡県の担当者は「無償化になったことで、これまで1~2日間の利用だった人が3日間など連日使うようになった」と分析しています。

「受け入れ先の整備」が課題

大名よねくら小児科クリニック 米倉順孝院長「新型コロナの流行で3年間感染対策をし続けましたので、3年間は子供たちの感染症の流行がかなり抑えられていました。今、急激にいろいろな感染症が回り出して、子供たちがどんどん感染症にかかってしまうということが起こっています」

女性「予約システムが小児科によってバラバラなので、システムを一元化してどれくらいの空き枠がありそうかわかるといいかな、と思う。より重い患者さんは『病児保育』でみて、回復傾向の方は『病後児保育』でみてもらうシステムがあったらすごくいいかなと思います」

働く親の「駆け込み寺」ともいえる「病児保育」。その「無償化」は若い世代の出産や子育てへの大きな後押しなるものですが、受け入れ先の整備という課題も残されています。

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この記事を書いたひと

大北瑞季

1994年生まれ 愛知県出身 主に福岡・佐賀での裁判についてのニュース記事を担当。 プライベートでは1児の母であり、出産や育児の話題についても精力的に取材を行う。