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市長が「圧力」と受け止めた町長の発言 議会や記者には違う説明 大任町に建設中のごみ処理施設めぐり 

 田川地区の8つの市町村が大任町に委託して建設しているごみ処理施設をめぐって、
大任町の永原町長が田川市長に情報公開請求に応じないよう強要したとされる問題です。
RKBの取材に対し、永原町長は発言そのものを否定していましたが、録音データが残されていました。
 

7月の田川市議会で永原町長が説明したこと

RKB今林隆史記者「議会で別の自治体のトップが説明するという異例の全員協議会がこれから開かれます」

7月14日、田川市議会の全員協議会に大任町の永原譲二町長が出席しました。田川地区の8市町村が大任町に委託して建設しているごみ処理施設の組合長として事業について説明するためです。

大任町に対して田川市議会は7月5日にごみ処理施設の情報を公開するよう決議しています。
田川市議会 小林義憲 議員
「多額の公費が投じられているにもかかわらず、その詳細が市民に開示・説明できないことがあってはなりません」
 


この決議を受け永原町長は7月14日の田川市議会で説明を行ったのです。

永原町長「すべて情報は公開しています。田川市のホームページに出ています」

ただ、田川市の担当部署がホームページに公開したのは市議会の決議の後でした。
市議会では次のようなやりとりが行われました。

田川市議
「いつから記載したのか、お答えしていただきたいのですが可能でしょうか?」

田川市 池口芳幸環境政策課長(当時)
「いつからという正確な日にちは覚えていませんが、最近ですねアップさせていただきました」

議会で応酬 町長「嘘を言ったらだめですよ」 市長「嘘はついていない」

一方、この日の全員協議会で特に時間を割かれたのは6月23日に永原町長と田川市の村上市長と面談した際のやり取りです。村上市長は情報公開請求に応じるならゴミ処理施設の組合から出て行くように組合長である永原町長から圧力を受けたとしていますが、永原町長はこれを否定しました。

永原町長
「『出て行け』と言っていますけど、私は一言も言っておりません。だからそういう嘘を言ったらだめですよ」

これに対し、村上市長は「嘘はついていない」と説明します。

田川市 村上市長
「私が嘘を言っていないということもきちっとつまびらかになる日が来るだろうと思っています」

音声データに記録された町長の発言 

どちらの言い分が正しいのか。2人のやり取りを記録した音声データが残されていました。

永原町長「これは出したら困る、信義を守れ。出したらもうあとは全てがもう俺たちとあんたがた協力せんから。全て。そんなことまで市長たる者がするならもう議会議決して出ていけばいい。嫌なら出て行って自分たちで建てなさい」

「嫌なら出て行って」と言っているように聞こえますが、永原町長は、記者に対し、発言を否定します

RKB今林隆史記者
「『嫌なら出て行って自分たちで建てなさい』という発言は町長されてないんですか」

永原町長「していません」

RKB今林隆史記者
「していない?それに関する類する発言もしていないですか」

永原町長「していない」
 


さらに6月23日の面談で、永原町長は、田川市が情報公開請求に応じた場合、前の田川市長との間で合意していた田川市からの焼却灰の受け入れを拒否することも示唆していました。

永原町長「これをする事によってほかに影響する。灰が捨てられんやろ。捨てられんよね。こげなこと破棄されたら、もう入れん、いいぞ。うちは受け取らん。よその高いところに持って行け」

田川市長「市民に対する脅しではないか」

焼却灰の処理と引き換えに情報公開をしないよう迫るような発言に田川市長は憤りを感じると話します。

田川市 村上市長
「田川市民に対しての脅し・強要ともとれる中身というふうに思っています。他の自治体が、情報開示等々について、良いぞ悪いぞとか口出すこと自体もよく大任町長が言われるまさに越権行為だというふうに思いますし、間違いなく強要、というようなことに当てはまるんじゃないかな」

音声データと異なる発言をした永原町長

一方、永原町長は、記者に対し、自らの立場を正当化していました。

永原町長
「こっちの申し合わせは破って、こっちはお願いする。都合のいい時だけお願いして、都合の悪いことは反故にするというのはおかしいでしょ」

田川市長に対し強要とも受け取れる発言をし市議会では音声データとは異なる発言を繰り返した永原町長。一体、何を公開したくなかったのか。永原町長の姿勢に批判が高まっています。

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この記事を書いたひと

今林隆史

1976年生まれ 福岡市出身 政治・経済などのニュース取材に加え、ドキュメンタリー番組の制作にも携わる。第58次南極観測隊に同行。JNNソウル特派員として韓国の大統領選挙(2022)などを取材。気象予報士・潜水士の資格を有し、環境問題や防災、水中考古学などをライフワークとして取材する。 番組「黒い樹氷~自然からの警告~」で科学技術映像祭 内閣総理大臣賞(2009)、「甦る元寇の船~神風の正体に迫る~」同映像祭 文部科学大臣賞(2013)など受賞。