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パティオの先で、記憶に残る絶品イタリアン

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城南線から浄水通りの方へ道を折れると、地下から温かな灯りがもれていました。そこはまるで小さなパティオ(中庭)のよう。地下の閉塞感がない、開かれた隠れ家。その名は「カパンナ・ドルソ」です。

カパンナ・ドルソ

店内に入ると8席のカウンター、その先でオーナーシェフの熊野龍太さんがにこやかに迎えてくれます。
熊野さんは19歳でイタリアに渡り、学校に通いながら夜はレストランで働き、5年間みっちりと本場の料理を学び、滞在中にソムリエの資格も取得したそうです。

カパンナ・ドルソ

「どうしてイタリア料理だったんですか?」との問いに、「“一生食べ続けるもの”と考えたら、僕にとってはそれがイタリアンでした。作っていても飽きないんです」と答えてくれました。まさに、好きこそ物の上手なれ。料理への期待も高まりますね。壁に掲示されたメニューを見てみましょう。

カパンナ・ドルソ

ワインに合う気軽な一品もあれば、パスタもバラエティ豊か。「ピチ」「カネロニ」など、どんなパスタか気になるメニューが一杯です。メインも魚、豚、牛、羊、馬など選ぶのが悩ましい~。

「前菜は本日のおすすめもありますよ。今日は鰻を使ったものをご用意しています」と熊野さん。取材時はちょうど土用の丑の日の頃。では、そちらからいただいてみましょう。

カパンナ・ドルソ

出てきた鰻料理は「鰻と万願寺唐辛子のオムレツ仕立て」(1,600円)。テリーヌ型に素材を入れて卵液を流し込んでオーブンで蒸し焼きに。マスカルポーネのソース、山椒の実のピクルスと一緒にいただきます。脂ののった鰻はカリッと風味よく、プルルンとした卵の余韻がなんとも優しい一品でした。

2品目に選んだのはパスタメニュー「山わさびのカチョエペぺ」(1,600円)です。「カチョ」はチーズ、「ペぺ」は胡椒のことで、「ペコリーノ・ロマーノ」という羊のミルクのチーズと胡椒をたっぷり使ったローマの名物料理が「カチョエペぺ」。こちらでは胡椒を山わさびに代えてアレンジしています。

カパンナ・ドルソ

まず驚いたのが、もっちもちの食感。この麺は手打ちですね!「そう、手打ちのタリオリーニです。お酒を飲みながら味わっていただくため、時間が経ってもボソボソしない手打ちでご用意しています」と熊野さん。ツンとした山わさびの刺激が、オイルで和らいでいい塩梅。爽やかな後口で、白ワインによく合います。

どちらも、はじめての味わいで、アレンジがとっても面白いと伝えると、「家庭では作られないようなメニューを意識しています。お客様の記憶に残るような、オリジナリティも大事にしていますね」とのこと。なるほど、外食の楽しみはそこにありますよね。

さて、最後にメインを何にしようかと悩んでいたら、熊野さんから嬉しい提案をいただきました。「おまかせコースもあるのですが、今日のメインは豚肉です。ソースに工夫がありまして、そちらを食べてみませんか」。

カパンナ・ドルソ

ということで、特別にコース料理のメインを出していただきました。豚ヒレ肉をローストしたものですが、おやおや、何かで巻かれていますね。ナイフを入れるとザクッザクッと小気味良い音。この正体は表面をしっかり焼いたパンチェッタとかつらむきにした冬瓜なんです。

しっとり柔らかなヒレ肉にみずみずしい冬瓜の意外な組み合わせ。パンチェッタが旨味を添え、ソースはなんと味噌! 「大豆だと和になりすぎるので、レンズ豆で自家製の味噌を仕込みました」と、どこまでも手が掛けられています。4,500円のコースでこのクオリティの一皿が味わえるなんて。美味しい記憶がしっかりと刻まれました。

でもこのメニュー、コースだったらいつもあるという訳じゃないんですよね……と思っていたら、「冬瓜は季節のものですが、時期によっては大根などで作ろうと思っています。事前予約していただければ、できるだけ対応しますよ」とありがたい言葉。私もリピートしたい! ちなみにガラスで仕切られた半個室のテーブル席もあるので、仲間とコース料理をワインと楽しんでもいいですね。

カパンナ・ドルソ
店舗名:CAPANNA d’Orso(カパンナ・ドルソ)
ジャンル:イタリア料理
住所:福岡市中央区薬院4-18-17レイナビル地下1階
電話番号:092-791-9972
営業時間:18:00~24:00(土曜は17:00~)
定休日:日曜
席数:カウンター8席、テーブル6席
メニュー:コース4,500円、カルパッチョ1,100円、田舎風パテ800円、パスタ1,300円~、グラスワイン800円~
URL:https://www.capannadorso.com

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この記事を書いたひと

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