春吉の小径に佇む「金蔦」は、牛テールスープでいただくオリジナルの鍋「博多炊き肉鍋」を楽しめるレストランです。華やかでインパクトのある鍋は、17年前のオープン以来、じわじわとファンを増やし、今では東京・六本木に1店、そして西中洲には姉妹店「Roji銀」もあります。食通を唸らせ続ける味を確かめに行ってきました。
※店舗より提供
蔦の絡まる一軒家レストランを訪れると、まずはウェイテイングルームに通されてウェルカムドリンクをいただきます。白いクロスがかけられたテーブル席には、ほどよい緊張感と心地よいリラックスムードが同居していて、一般的な鍋屋さんとは全く異なる雰囲気に心が浮き立ちます。
今回予約したのは「博多炊き肉鍋コース リバーワイルド桃ぶた×九州産黒毛和牛」(1人前5,500円)。生ハムのカプレーゼや地魚のオーブン焼きなどの前菜2品を楽しんだ後に、いよいよ鍋の登場です。
山のように盛り付けられ、白ネギでお化粧した鍋は見惚れるほどの美しさ! 鍋の右半分は九州産黒毛和牛の赤身・シンタマ、左側はうきはのリバーワイルドの「桃ぶた」(柿豚や葡萄豚、吟醸豚など時期により異なる)です。ボリュームに驚きますが、肉の下は9割がネギ、1割が千切りのキャベツなので野菜をたっぷり摂れるとてもヘルシーな鍋なんです。
注目したいのが鍋の形状です。中央のスープを囲むようにぐるりと円を描いた鍋は、シルクハットを逆さにしたような形で「金蔦」特許をとったオリジナルなんだとか。鍋まで作ってしまうなんて、並々ならぬ味へのこだわりを感じさせます。
牛テールスープがあたたまっていい香りが立ち上がってきたら、肉と野菜と少しずつ投入します。「赤司農園」の桃を食べて育った「桃ぶた」は、口に入れた途端に脂の甘味がジュワッと溢れ出します。それなのにしつこくなく後味はスッと軽やか。「九州産黒毛和牛」の赤身・シンタマは噛むほどに上品な旨味が広がります。
どちらのお肉にも牛テールスープをまとい、これが感動ものの美味しさなんです。丁寧に下処理した牛テールを2日以上かけてじっくり炊き、脂の層を丁寧に取っていくという工程を重ね、旨味だけを綺麗に残した澄んだ深みのあるスープに仕上げています。鍋を食べ進めていくと、スープにネギの風味も加わり、さらに箸が止まらなくなってしまいます。
つけだれは、牛テールと昆布や鰹節などの出汁を合わせた香り高い塩だれと、こちらも出汁と白ワインビネガーを合わせた酸味がほどよいトマトだれの2種。さらに自家製「5年熟成梅みそ」を、柚子胡椒的につけていただくとなおよし。赤唐辛子を使ったピリリと辛い赤い梅味噌と、青唐辛子、山椒、黒胡麻が入ったコクのある黒い梅味噌の2種ありますよ。
コースに追加できる「和牛テールの塩焼き」(プラス1,480円※単品1,760円)も、ぜひ味わっておきたい「金蔦」の名物。鍋のスープを作るときに煮込んだ、柔らかくも旨味をしっかり残した牛テールに炭火で香りを加えた一品です。箸を入れるとほろっとくずれる柔らかさで、口に入れると芳しい香ばしさが駆け抜けていきます。岩塩やブラックペッパーが添えられているのですが、個人的にはとろけるような上質な脂の旨味をさっぱりとしたディジョンマスタードをつけていただくのがおすすめです。
鍋のシメには杵打ち麺、またはプラス220円のリゾットかを選べるのですが、今回はリゾットをチョイス。テーブルにサーブされると、チーズ大好きというスタッフさんがリゾットが真っ白になって見えなくなるくらいたっぷりとグラナパダーノチーズをかけてくれます。この太っ腹なサービスが大ウケし、「これを食べに来たんだよね」と来る方や、SNSを見て来たという若いお客さんも増えたそう。元イタリアンのシェフだった料理長が作るリゾットは、牛テールスープの旨味をさらに凝縮させた超濃厚な味わいで、シメのつもりがグビグビとワインを飲みたくなってしまう危険な味なんです(笑)。そしてデザート、コーヒーか矢部紅茶で幕を閉じるコースとなっていますが、毎日19~21時はピアノの生演奏を聴きながら美食を楽しめますよ。
※店舗より提供
金蔦 博多本店
福岡市中央区春吉3-16-5
092-716-2990
ジャンル:鍋
住所:福岡市中央区春吉3-16-5
電話番号:092-716-2990
営業時間:17:00~OS22:00
定休日:日曜、祝日
席数:テーブル44席
個室:5~8名
メニュー:博多炊き肉鍋コース4,500円~、博多炊き肉鍋MIXコース5,200円~、博多炊き肉鍋食彩コース7,600円~、和牛テールの塩焼き1,760円(コース注文の場合1,480円)、玄界灘の天然真鯛うす造り1,280円(コース注文のみ)、博多炊き肉鍋単品2,600円~
URL:http://www.kintsuta.co
この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう