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うまいふぐ料理も味わえる、路地裏の風流な古民家酒場

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古民家をリノベーションした店舗には、唯一無二の魅力がありますよね。懐かしい空気は心なごますだけでなく、料理や酒の味さえ豊かにするから不思議です。そんな魔法に惹かれる“古民家ファン”に、ぜひ紹介したい居酒屋を見つけました。昨年、高砂の静かな路地裏に現れた「高砂長屋手前」です。

高砂長屋 外観

もとは昭和29年建築の一軒家。京町家のような表情がなんとも風流です。気候の良い日は扉を開けており、この日も心地よさげな客席が覗けました。
なお店の奥には同年建築の別棟が隣接し、そちらも改装されて姉妹店のふぐ専門店「ふぐ倶楽部 tabata」が営業中。その「tabata」が昨年10月にオープンし、その後12月に“手前”の家屋を活用した「高砂長屋手前」が出来たそうです。

高砂長屋手前店内

中に入ると、そこは洗練と郷愁が溶けあう涼やかな空間。天井の大半が吹き抜けなので解放感も出色です。古民家の美点を残しつつ、モダンさを巧みに加えた内装はデートにも良いでしょう。ちなみに2階の一部は「tabata」の客が使えるバーだとか。
その「tabata」は現在紹介制ですが、16時から呑めるこちらは誰でもウェルカムな気さくな居酒屋。軽く60種を超える日本酒やワインと共に、小粋にアレンジした料理が楽しめます。

高砂長屋手前メニュー

そのメニューには、「これ絶対ウマいやつ!」を予感させる料理がズラリ。和洋中の料理にひねりを加えた品々は、どんな酒にも寄り添ってくれそうです。一人鍋など小ポーションの料理が多いので、“おひとり様”にも嬉しい構成ですね。

高砂長屋手前アテ盛り

そこから選んだ1品目は「あて盛りファイブ」(1,300円)。これひとつで大満足な呑兵衛も多いのでは? 単品メニューから厳選した5種盛りで、この日は鶏レバー赤ワイン煮、イワシの梅煮、タコのやわらか煮など、どれもハズレなしの美味しさです。どう数えても5種を超える内容はご愛嬌(笑)。文字どおり「皿から溢れるサービス精神」を堪能しました。

高砂長屋手前アヒージョ

2品目に頼んだ「しらす温泉玉子アヒージョ」(880円)は食材の取り合わせが秀逸です。よもや、しらすとオリーブオイルがこれほど相性抜群とは思いませんでした。そこに半熟温玉が絡むとまろやかさがアップして、極上のアテが完成。濃すぎぬ塩加減も絶妙で、これはクセになる一品ですよ。

高砂長屋手前フグコース

しかし、やはり最注目は「唐あげ」(900円)など6、7種が揃うふぐ料理でしょう。調理は「tabata」のふぐ職人が行うためクオリティはお墨付き。とくに、先付け、てっさ(刺身)、唐あげ、てっちり鍋、デザートが付く「ふぐミニコース」(4,000円)はお勧めです。
5日間寝かせたてっさは、もっちりした歯応えと強い甘みに思わず破顔。骨周りの部位を上品な衣で包んだ唐あげも感動モノです。こんな本格派のふぐに居酒屋で逢えるとは……。ただし数量限定ゆえ注文はお早めに!

高砂長屋手前ちり鍋

てっちり鍋にも皮と身がたっぷりで、もちろんシメの雑炊付き。これで4,000円は実にお値打ちです。満足の余韻に浸っていると、「歴史ある伝統食、ふぐの素晴らしさを広げるのが夢なんです」と代表の宮脇崇さんが人好きのする笑顔を向けました。

宮脇さんは東京・銀座で人気店「ふぐ倶楽部 miyawaki」などを営むオーナーで、これが福岡初出店。ふぐ=高級のイメージを打破すべく、あえて九州産の養殖を使ってますが、丁寧に育てたふぐは天然ものに劣らぬ輝きを放ちます。
「女将を任せている田畑真理子さんや、出店機会を作ってくれた入川小百合さんなど、いろんな人の支えで生まれた居酒屋です。そうしたご縁やお客様への感謝を胸に、今後も頑張りたいですね」。無類の空間、気の利いた料理、明るい接客と、その想いが随所ににじむ「高砂長屋手前」。さすがふぐを扱うだけあって、噛めば噛むほど味が出そうな店ですよ。

高砂長屋手前
福岡市中央区高砂1-14-13-1F
092-791-6219

店舗名:高砂長屋手前
ジャンル:居酒屋
住所:福岡市中央区高砂1-14-13-1F
電話番号:092-791-6219
営業時間:16:00~OS22:30
定休日:不定
席数:カウンター8席、テーブル10席
個室:なし
メニュー:あて盛りファイブ1,300円、しらす温泉玉子アヒージョ880円、ふぐミニコース4,000円、ふぐ皮の春巻き(白子入り)600円、手羽先のハーブ焼き(2個)600円、牛しぐれ煮500円、高砂のポテサラ600円
URL:https://www.instagram.com/takasagonagaya_temae/

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