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幸せを呼ぶタツノオトシゴ

「あけましておめでとう」。今年の元旦、水槽から飛び出してきた着ぐるみの男性。加藤紳(52)さんは日本で唯一のタツノオトシゴの観光養殖場「タツノオトシゴハウス」の館長だ。子どもの頃から海に憧れ、大学卒業後に海洋調査会社に就職。

 

調査で訪れたニュージーランドの海で出会ったのがタツノオトシゴ。目が合った瞬間、運命を感じた。退職してオーストラリアで養殖を研究し、南九州市頴娃町で養殖をスタートした。メスの代わりにオスが出産をするため、「夫婦仲が良い」=「幸せの象徴」と呼ばれている。

 

200匹以上が展示されるタツノオトシゴハウスは無料開放され、開運グッズも並ぶ。1階には神社もあり、タツノオトシゴを通して地元を盛り上げている。一方、乱獲され、絶滅危惧種に指定されている。かつてタツノオトシゴが生息していたという頴娃町の海は藻場が失われ、磯焼けが進んでいる。

 

加藤さんは地元の人たちと藻場の再生に向けた活動を始めた。タツノオトシゴが生息する海を舞台にした仮想現実(VR)ゲームも制作。開業から2回目となる辰年に「豊かな海の復活」という夢に向かう男性を追う。

 

(制作:MBC南日本放送/中靏 崇大)

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